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    hakabanohirono

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    hakabanohirono

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    飲んだらヤルことになってるゲタ水<その壱>
    冒頭なのでキスしてるだけ

    はじまり 赤い舌が覗いた。口づけられると思った時には、其れを受け入れていて、拒むことは許されなかった。否、拒絶出来なかったのは己だ。
     それでも肩を掴んだ手には力が入っていたけれど、押しのける程強いものではない。
    「ッ、ん……ッ……ぅ」
     くちゅっと音がして、更に深く舌をねじ込まれ、絡めとる。吸われると身体がぞくりと震えて、肩を掴んでいた手は緩んでいく。
    「んぁ……あ、ッ、ふ」
     やめろ、だとか、待て、だとか。そういう言葉を紡ごうとしても、正反対に甘い息と声が漏れる。
     と、口づけていた鬼太郎は少しだけ顔を離してはぁっと息を吐いた。
     アルコールの匂いがする。
    「気持ち良さそうな声出してますねェ」
     唇をべろりと舌が舐めて、また咥内へと入ってくる。上顎を舌が擦ると気持ち良くなり自ら求めるように舌を伸す。
     肩を掴んでいた手は、鬼太郎の背に回りねだるように強く抱きしめている。
    (嗚呼……駄目だ)
     うっすらと目を開けて水木はそう思ったものの、行動は全く正反対だ。
     口の中を蹂躙する舌を軽く噛んで返すと、鬼太郎がぴくりと震えて水木の後頭部を片手で掴んだ。
    「ん……ッ、ぅ、ん……ふッ、んんぅ……」
     苦しい。だが、気持ちがいい。
     歯が当たりそうになるほど口づけながら、鬼太郎のシャツをぎゅっと掴んだ。

     酒精の香りと酔いは理性を融かす。
     弱いつもりはないが、それでも、多分、今は酔っていると水木は目を閉じる。
     唇を離した鬼太郎が、唇を頬に寄せ舌で舐める。
     何をするのだろうかと思いながら、うっすらと目を開けようとしたとき、瞼にぬるりと濡れた感触が滑る。
    「なにやってんだ……」
    「いいえ、別に……」
     そう云って舌先が目元の傷跡をなぞる。
     顔を背けようとすると、舌はそのまま耳元へと伸びて欠けた耳を軽く噛む。
    「ッ……ぁ」
    「感じ易いんですねぇ、お義父さん」
     耳元で囁いて、首筋を舌がぬるりと滑っていく。濡れた場所がひんやりと外気に触れると、どこを舐められたのか感じられて下半身がずくりと疼く。
     軽く歯を立てて鬼太郎は皮膚を吸い上げると、もう一度、強く噛んだ。
    「いっ……って、お前ッ!」
    「良いじゃないですかァ。気持ちいいんでしょう?」
     そう云って、膝頭が水木の股間へと押しつけられる。膨らみ、熱を持った其処をぐいぐいと押しつけられると、声が漏れそうになって唇を噛んで俯いた。
    「ぅ……ッ、ぅ……ぁ」
    「キスだけでって思ったけど……お義父さんのほうが我慢できなさそうですねェ」
     笑った声に、水木は口角を上げて息を吐いた。
    「お前こそ……ッ、我慢できるのか?」
     そう云って、背に回されていた手が滑り降り同じように鬼太郎の股間へと触れる。ズボン越しに膨らんだそれを軽く揉みしだきながら、目を細めて笑うと水木は言った。
    「なぁ、鬼太郎」
     その声と瞳を前に、鬼太郎は口元に笑みを浮かべたまま生唾を飲み込んだ。
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