この苦しみを一時でも忘れられるなら何でも良かった。
普通の人間なら飲むことのないだろう禍々しい量の錠剤をせっせとシートから取り出す。
手に取り出された15錠を見つめた後、それを飲み干した。正直、楽に死ねるなどという情報は阿呆の戯言だと思っていた。だが、それに頼るしかなくなってしまったのは、誰のせいか、分かるだろう?
さて、薬が効いてくるまでは、遺書でも書き遺しておこうか。
おもむろにペンと紙を取り出し、文章を考える。
こういうときに限って、書きたいことは出てこないものだ。それでも必死に考え文章を書き連ねた。
書いている途中で、ふと喉の乾きが気になった。
水でも飲みに行こうかと椅子から立ち上がると、体全体がくらりとし、床に倒れ込んでしまった。
1876