秕の罪夜食
寝ようとベッドに横になる。眠くなるまでSNSを眺めていれば、タイムラインには飯テロ画像が乱舞していた。
肉汁が滴りチーズがとろけたハンバーガー、トマトソースで煮込まれたロールキャベツに極め付けはきらきら光った海鮮丼。どれもこれもが寝る前の俺の脳を刺激した──腹が減った。
俺の食事は不規則だ。それこそ腹が空かなければ食事をしない。腹が減った時が飯の時間なのだ。
つまり俺は今、寝る時間であり飯の時間なのだ。
どうする?と腹具合に尋ねる。何せ俺は寝る為に横になっていたのだから。
正直空腹感を無視して寝るというのも手だ。だって飯の準備するの面倒だから。洗うのだって嫌だ。歯磨きもまたしないとならない。
つまり今から食事をした場合コストがあまりにも高過ぎる。だから俺は、目を瞑って天秤に掛け考える。
──今の俺の手には食パンとハムと卵。
食うと決めたからにはガッツリ行こうと思った。
どうせ高コストなら高カロリーで攻めるべきだと思った。後悔しないくらいの満足感を味わいたいから、そう思って俺は冷蔵庫からマヨネーズ、冷凍庫から溶けるチーズを取り出した。
俺は今から最強の罪のパンを作るのだ。
まず食パンのフチをマヨネーズで囲った。そしてパンの真ん中を少しくぼませそこに卵を落とす。
ハムはちぎってちらし、その上からマヨネーズをこれでもかと言う程に掛け、一面にチーズを散らす。粗挽き胡椒を掛ければあとは焼くだけ。
この絵面だけで罪数やばいでしょ。いやぁこれがうンまいんだわ。チーズを冷凍していた事で卵が上手く焼けないので軽くチンしてからオーブンに変えて焼く。
俺はすぐ食えるように時短レシピばっかだけど、これだけは待ってる時間すら楽しい。だってこれの美味さを俺は知っているから。しかも、真夜中に食う。この背徳感も美味さの一つなのである。
あ〜早く食いてえなぁ。卵はトロトロがいいなぁ。
数分後、パンが焼ける。
こんがり良い匂い。うわ、美味そう。
でもこれめちゃくちゃ熱いんだよなぁ。
写真を撮ってSNSにうp。皆、俺の罪パンにひれ伏すといいっす。
美味そうな香りの湯気。かぶりつきたい欲望と戦いながら火傷しないよう少しずつパンを頬張る。
『はふ、…うま……』
熱いけど、美味過ぎる。チーズのとろけ具合、マヨネーズの酸味、ハムの塩み、胡椒のピリッと感、そして卵の満足感。
『最ッ高過ぎでしょ……』
真夜中ってやっぱいいよなぁ。欲望には忠実に従うべきって事。
『はぁ……起きてよかった…。食べたら目覚めたからまたなんか遊ぶかな。夜はまだまだこれからっすねぇ〜』
Tobari417の夜は始まったばかり。
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実際真夜中のお夜食、恵さん以外はやってそう。
耀さんは罪悪感に駆られながらも食べて(あ〜食っちまった〜…)ってしてるのかな。それとも気にせずがっつり食べて「食った食った〜」で満足するかの2択?耀さんにはいっぱい食べてほしいな
ちょっと今、リーダーを夜食の共犯者にしようとする秕を受信した。何故一緒に居るかはわからんが。悪魔の誘いをする鳥羽利秕は、ある。
「なんか腹減ったなぁ」
『そんなリーダーに朗報です。ここに昨晩の唐揚げがあります』
「え…」
『大丈夫、白米もあります。』
「…ごくり」
『はい、ここに唐揚げを乗せて…』
「!?そ、そんな!よ、夜中だぞ今」
『はいそうです。まずはチンして唐揚げの油を白米に染み込ませます』
「あぁあ…」
『これでほかほかの唐揚げ丼が出来ました。でも終わりじゃないっす。夜中なのでサービスとして』
「サービスとして!?!?」
『マヨネーズと七味を俺はまわしかけます』
「な、なんて事を!!!」
『マヨネーズがお嫌でしたらポン酢とかお好みで。タルタルソースもあります。もちそのままでも可』
「………ッ」
『あれぇ、食わないんすかぁ?じゃーリーダーの分も俺食べちゃおっかな♡』
「…っ、いただきます」
『フヒ、共犯者っすね〜』
って秕が悪魔の誘いしてくるのが頭に浮かびました。ひでぇ悪魔だぜ
あー、合宿とかで4人揃ってたら、匂いに釣られて来た耀さんも「いいな…俺も…いい…?」と仲間に加わり、話し声で見に来た恵さんに「ちょっと今何時だと思ってんの」って怒られるけど『メグサンも罪のお夜食しましょ♡』って秕が恵さんの分も作って、4人で真夜中に夜食キメてほしさあるな。
あーお腹すいた。