担げや担げ!お神輿デート♡「神輿の手伝い頼まれたんだけど大寿も一緒にやろーぜ」
事の始まりはこうだ。オレ、佐野万次郎はじいちゃんの頼みで近くのお祭りで神輿と舞を披露したんだけど、その神輿と舞がなかなか好評で他のところからも声がかかっちゃってどうせなら今回は東卍の皆とじゃなくて大寿と二人っきりで参加したいかも…なんて思って今に至る。
「はぁ?なんでオレが手伝わねぇといけねぇんだよ」
「大寿力強いし神輿も軽々と担げるだろ?なぁ、頼むよぉ終わったら屋台見ながらデートしたいなぁとか思ってるんだけどそれでもダメ?」
「…チッ、仕方ねーな、今回だけだぞ」
「やったー、サンキュー大寿大好き」
オレは嬉しくてつい、大寿にギュッと抱きついた。
「オイ、いきなり抱きついてくんじゃねーよ」
「えへへ、ごめん」
顔を赤くしてオレから目を逸らす可愛い恋人。
その恋人とお祭り当日はずっと一緒にいられるんだ
すっげー楽しみになってきた!!
ただ…今回参加するお祭りは神輿を担ぐだけで舞がないのがちょっと残念かな。
踊ってる大寿見てみたかったし。
なんてことを考えながら過ごし、お祭り当日を迎えるのだった。
「へぇ、珍しく時間ぴったりじゃねぇか」
「誘ったのはオレだしね、それに普段とは違う大寿が見られると思ったらワクワクしちゃってさ」
「…ばーか」
照れてる、照れてる、カワイイな
「オイ、なにニヤついてんだよ」
「べっつに~それより早く行こーぜ!!」
大寿の手を掴みオレは参加者のいる集合場所へ向かった。
辿り着いてすぐ大寿は参加者たちから注目を浴び
あれやこれやと質問攻めにされている。
ま、仕方ないよね、大寿ガタイいいし神輿担ぐのに向いてるもん。
あと、早速大勢の大人たちに囲まれて戸惑っているレアな大寿を見られて内心ラッキーとオレは思った。
「おい、マイキー見てねぇで助けろや!!」
「いいじゃんモテモテで来て良かっただろ?」
「…テメェ後でド突く」
代表の人から渡された半纏に着替えいよいよ本番が近づいてきていた。
「大寿緊張してる?」
「ンなワケねぇだろ、そういうテメェはどうなんだよ」
「緊張はしてないけどドキドキはしてるかな」
「らしくねぇな」
「きっと、大寿がいるからだよ」
そう言ってオレは大寿のほっぺたにチューをする。
「なっ…オイ、人前でやめろ!!誰かに見られでもしたらどうすんだ」
顔を真っ赤にして慌てる大寿、仕方ないじゃんしたくなっちゃったんだもん。
「…半纏、すごく似合ってる、引き受けてくれてありがとな」
「…フン」
「神輿、盛大に盛り上げような」
「…あぁ」
神輿を担いでいるときの大寿は思っていた以上にかっこよくて、オレには輝いて見えた。
きっと周囲の視線もコイツに向いているんだろうな…けど、絶対に渡さないコイツ(大寿)はオレのものだ。
「…テメェ、また変な嫉妬してただろ」
無事担ぎ終わり一息ついてたときに大寿がそう声をかけてきた。
「別に、嫉妬じゃないし周囲の奴らにオレの大事な大寿を自慢してただけだし」
「なんだそりゃ」
「そんなことよりさ~手伝いも終わったし屋台見て回ろうよ、オレお腹すいちゃった」
「そうだな、まずは何か食うか」
オレたちのお祭りはまだまだ終わらない。