喪失ロナルド君が死んだ。不慮の事故であった。道路に飛び出した子供を助けようと身代わりに轢かれ呆気ないものであった。私は漠然と葬儀に参列し、漫然と事務所に戻った。いつもの事務所にロナルド君が居ないことが不思議でならなかった。ジョンは私を気遣うようにヌーヌー言っていた。そうやって夜が更けてしばらくして、衝動的に迎えに行こうと思いついた。
墓暴きには入念な準備が必要だった。夜が更けるのを待ち、御真祖様の便利グッズと移植ごて、ブルーシートにロープと最低限必要なだけの道具を抱えるだけでも死にそうになり、結局墓地まで三往復する羽目になった。こんなことならもっと鍛えておくんだった。だけど、これは他ならぬ私がやり遂げなければならない。百合が置かれているまだ柔らかい土に鏝を突き立てる。
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