ぽぽ誕2023【夜】 福沢は探偵社にて社員総出で祝われ満足そうに笑って送り出された乱歩と共に帰路につく。
「……満足か?」
「まあね〜〜〜〜!!」
「そうか……」
浮ついた気持ちを隠そうとせず前を軽快に歩く乱歩の姿を見て福沢はほっとした。今朝の言葉を到底聞き流す事等出来ないが、今は幸福な乱歩を見ていたい。何と云っても今日は乱歩の誕生日なのだから。
「それでさあ与謝野さんは相変わらず料理が上手でね、作って貰った林檎パイはそれはもう美味しかったんだあ! 与謝野さんをお嫁さんに出来る人は幸せだねえ〜。でも、そんじょそこらの男じゃ絶対駄目! だよねっ社長!」
福沢の心中を気にしない乱歩は、隣で座右の銘に相応しい喋りを披露している。其れに関しては何時も通りなので、さして気に留めず。然し、何時しか福沢は此れが無いと、物寂しささえ感じる身体になっていたのだ。
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