高校卒業後、それぞれの進路を進むこの機会に彰人は地元から遠く離れた街に一人旅立つ。
彰人は冬弥に片想いしており、この気持ちがバレてしまう事も、バレてしまった時に拒絶されるのも、拒絶は優しい相棒だからしなくとも、気を使われてしまうだろうと恐れ、”大学が忙しくて連絡が取れなくなる”と嘘をついた。
未開の地でふと目を引いた、色鮮やかな花が街の一片を彩る花屋で、店主の頼みから働くことになる。
その街は花や季節感を好む人が多いからか、繁盛しており、彰人が勤めてから少し肩の荷が降りたと年齢はそこそこの店主から感謝を伝えられた。
そんな目まぐるしく日々を過ごす中で、冬弥への想いを断ち切ろうと目論んでいたものの、意志とは反対に余計に”会いたい”気持ちが強くなる彰人。
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