だってあなたは、じまんの。アタシは、誰にも信じて貰えないけれど、ちょっと変わった特技がある。
そして今日。その特技を持っていて、本当によかったと、心から思えた。
「すみません、類さん!お茶菓子を切らしていたからって、お兄ちゃん大慌てで出て行っちゃって……」
「いやいや、気にしてないよ。お気遣いなく」
不安げに差し出したお茶を受け取りながらにっこりと笑う類さん。
アタシはそれに安堵して、一緒に入れたお茶をテーブルに置いた。
「でも、ちょうどよかったです!アタシ、類さんとお話してみたかったので!」
「おや、そうなのかい?」
「はい!……あの、ちょっと信じられないような内容もあるんですが、大丈夫ですか?」
不安げに言うアタシに、類さんは首を傾げながらも頷いてくれた。
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