忘れられない君へ。はぁ…
と、溜息を吐く。
やっと戻ってきたこの時代。
これが俺の望んだ未来なんだ。
***
横にいる少女に顔を覗き込まれて我に返る。
「どうしたの?ぼーっとして」
色素の薄い綺麗な髪。
大きな瞳が、何処と無くはなに似ている。
キュアトゥモローであるはぐみがハリーを不思議そうに見ていた。
「そんなことあらへん。今日も元気やでっ」
ニッと笑ってみせるハリー。
「またそんなこと言って。少しは素直になればいいのに」
はぐみは困った笑顔をハリーに向ける。
「ハリー、こっちに戻ってからずっと心ここに在らず…って感じだよ」
時々、そんな風にはぐみは呟く。
そんなことはない。
だってこれが俺の望んだ…未来なんだから。
「だから、そんなことあらへんよって。俺は今、はぐみと一緒に居られて、ビシンやリストルとまた暮らせて、それだけでええんや」
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