明日へ。あれから半年の月日が経った。
忘れられないたくさんの思い出を胸に、私たちはそれぞれ新しい未来へ進んでいた。
***
ほまれはひとり、暖かい日差しの中ベンチに座ってランチをしていた。
おばあちゃんの作ってくれた野菜中心のお弁当。
おにぎりを一口頬張る。
スポーツ特進クラスに戻った今も、いつもははなやさあやたちと一緒だったり、別の友だちと食べたりもするが…何となく今日はひとりだった。
いつもの屋上。
見上げた空は今日も青い。
彼の瞳のように…綺麗だった。
「ねぇハリー。
ハリーは今、幸せ?」
小さく呟く。
私は彼の幸せな未来を、守ることが出来たんだろうか?
ーーガチャ。
扉が開く音がする。
はなかさあやか…
じゅんなとあきか?
振り向くと、そこには久しぶりに見た意外な顔があった。
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