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    shirone_chiro

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    shirone_chiro

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    チョロエイの少しホッコリする日常。

    ##チョロエイ
    ##チョロ
    ##エイト

    雨のち花「うわっ……最悪。」

    もう少しで家だと言うのに、突然雨が降り始めた。
    タイミング悪く信号に引っかかって立ち止まると、一瞬にして雨は激しくなる。
    ゲリラ豪雨と言うやつだ。
    堪らずすぐ側にあった店の軒下に逃げ込んだ。
    しかし雨が激しく足が濡れる。

    まずい。このまま濡れたらリスポーンする……

    「良ければ中に入って。」

    突然の声に振り返ると女性が立っていた。
    言葉に甘えて店に逃げ込む。
    ここはどうやら花屋だったらしい。
    俺の様子を見ると、店員の女性はクスリと笑った。

    「凄い雨ですね。収まるまでゆっくりしてもらっても大丈夫ですよ。」
    「助かりました。」
    「いえいえ。ここのリスポーン地点は数少ないですからね。きっと今大混雑してますよ。」

    ゴンズイ地区は人口の割にリスポーン地点が少なく、こういう時は結構順番待ちになってしまうことが多い。
    それにリスポーンしてしまうと、せっかく買った夕飯の食材も落としてしまう事になる。

    「本当に助かりました。」
    「フフフ…せっかくだからお花でも見て行って。」

    今まで花には興味が無かったせいか、ここに花屋がある事すら知らなかった。
    色とりどりの綺麗な花が並んでおり、いい香りがする。

    「無理矢理買えなんて言わないわよ?そんなつもりで声掛けた訳じゃないからリラックスしてね。」
    「は、はぃ……。」

    とは言われても花屋なんて落ち着かない。
    ソワソワと店の中を歩いていると、次第に雨が収まってきた。

    「もうすぐ止みそうね。」
    「あ、あの……コレ下さい。」
    「別に気を遣わなくていいのよ?」
    「いや、その…下さい。」
    「フフフ……ありがとうございます。包むので少しお待ちくださいね。」




    **************




    買ってしまった。
    柄でも無いのに花を買ってしまった。

    雨上がりの道を歩きながら、手の花を眺める。

    コレ、どうしようか?
    チョロにあげる?
    でも世話とか面倒だしな……
    一応声だけかけようか。

    「ただいま。」
    「オカエリ!雨凄かったネ!リスポーンしちゃったかと思って心配したヨ〜!」

    ドアを開けると勢いよくチョロが玄関まで出てきた。

    「アレ?お花?ソレどうしたの?」
    「あ、いや、その………いる?」
    「え?」

    手にある1本の花をそっと差し出す。

    「いらねぇなら別にいいんだけど…」
    「貰ってイイノ!?ホシイ!!」
    「じゃあやるよ。」
    「ヤッター!!大きいコップ、花瓶にしてイイ?」
    「別に良いけど……」
    「わっわっ!どれにしようカナ///」

    チョロは花を受け取ると勢いよくキッチンへ走って行った。

    俺も後を追い、スーパーで買った食材を冷蔵庫に入れる。
    その横でチョロは嬉しそうにコップを選んでいる。

    「お前、花好きだったのか?」
    「ンン?あんまりわかんナイヨ〜。でもネ、エイトがお花くれたのが嬉しいノ〜。」
    「そ、そうか?」
    「だってエイト、お世話大変だから〜とか言ってこういうの絶対買わないデショ〜wエイトから貰うの、食べ物とか消耗品が多いカラ。ア!勿論いつものも嬉しいヨ!でもネ、なんだがボクもよくわからないケド、今凄く嬉しいノ。ホラ、カワイイ!」

    チョロはそう言うとコップに入った花をコチラに見せてくる。

    「ココに置いてイイ?」
    「あぁ。好きなとこ置け。」
    「わぁ〜い!エヘヘ、ボクと同じオレンジだ〜!」

    言われてみればそうだ。
    あまり何も考えていなかったが、無意識にオレンジを選んでしまっていたようだ。
    そう思うとなんだが恥ずかしい。

    「コレなんて言うお花?」
    「え?いや……ごめん。見てなかった。」
    「おぁー、調べたらわかるカナ?」

    そう言ってチョロはスマートフォンを触り始めた。

    「ネェ、どうしてお花買ってきたか聞いてイイ?」
    「あぁ……その、雨宿りさせてくれたのが、たまたま花屋で……それだけなんだ。こんなお前喜ぶと思って無くて……ごめん。」
    「謝らなくてイイヨ〜。フフフ……雨もたまにはイイネ。あ、この花、ガーベラって言うらしいヨ〜。これボクの1番好きな花にするネ!」

    そう言って写真をパシャパシャと撮っている。

    「ネェ、写真ハチに送ってイイ?」
    「なんか恥ずかしいからやめて?」
    「ンンー!じゃあアイコンは?アイコンにするのはイイ?」
    「いや、まぁアイコンぐらいならいいか。」
    「ヤッター!」


    確かに、たまには雨もいいな……





    ****************



    「スミマセーン!」
    「いらっしゃいませ。」
    「青いお花買いに来ましタ!」
    「青い花ですね。今だとこの辺ですかね。こういうのもありますよ?」
    「うわぁ!色々迷う!花束にしようカナ?でも沢山だとお世話大変って怒られちゃうカナ?うぅーん…喜んでもらえるかわからないカラやっぱり1本カナ……」
    「大切な方へのプレゼントなんですね。」
    「ウン!この前ね、初めてお花貰って嬉しかったカラお返ししたいノ!ボクの色のお花くれたカラ、ボクもそのヒトと同じ色の花をあげたいノ。」
    「そうですか。たくさん悩んで行ってくださいね。」
    「ウン!」



    END
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