2021.12.11「不死身の長兄」web拍手お礼画面⑧ カールには、世界有数の蔵書数を誇る、壮大な王立図書館があった。
王宮から続く広大な庭の中の小径を歩いていくと、しばらくして、その図書館に着く。そこは、カールの王族や、国家の要職の人間だけではなく、許可さえ下りれば、民間の学者や研究者も立ち入りを許されていた。
その「知の共有」が、この国を強国たらしめた要因の一つなのであろう。
かつては、ジニュアール家の歴代当主も、この王立図書館に足繫く通っていたそうだ。
庭の小径の先に見えた王立図書館の建物は、王宮と異なって、全体的に直線的構造であり、三角形の屋根とその正面のレリーフが印象的だった。そこには、知恵の神を意味する梟のシルエットをかたどった彫刻が掲げられていた。
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