無視する方が悪い「頻音くん」
「……」
Dr.誰かの仕事が終わるまで待っていたクロク卿にDr.誰かは声をかけたが返事は無かった。待っている間読んでいる本に夢中になっているようだ。
「頻音くん。仕事終わったよ?」
「……」
「どれだけ夢中になってるんだよ」
再度無視するクロク卿にツッコミを入れるDr.誰かは少し苛立ちを感じた。仕事終わるまで待たせた自分も悪いが人の呼びかけに無視するのも無視するほうであると。
(しょうがない肩叩いて呼ぶか…いや普通に呼ぶのもつまらないな…)
Dr.誰かにふと思いつく。
突然自分が後ろから抱きついたらこの怪異はどんな反応するのだろうかとイタズラ心と好奇心を抱いた。
Dr.誰かはクロク卿の座っている椅子の後ろに回る。相変わらずクロク卿は本に夢中でDr.誰かが自身の後ろに回っても気づかなかった。
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