8 ばらしてくみたて ブルーノたちは、食堂車で倒れていたミシェレと合流すると足早に線路から離れ、街道に出て、食堂車で放置されていたミシェレはしばらくブー垂れていましたが、それより深刻だったのはブルーノとトリシアでした。トリシアはブルーノが何も話してくれないので大変な不機嫌でした。ミシェレのようにぶーぶー言うならずいぶんマシで、黙りこくったまま、明らかにブルーノから目をそらしてじっと座っているのです。何か声をかけようにも、どこに爆弾のスイッチが埋まっているのかわかりません。ブルーノもブルーノで、トリシアに何か声をかけるでもなく黙ったままです。まるで、家庭内で互いに互いを無視している、『離婚していないだけ』の夫婦のような、そしてそんな夫婦となぜか同席しているような気まずい雰囲気でした。例えの意味ががよく分からない方は、そのままで結構です。周囲の大人の方にきくのは、あまりおすすめしませんからね。
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