夜に焦がれる2時。親の目を掻い潜って玄関のドアを静かに開けた。
冬の冷たい夜風がしんみりとさせる。小走りでいつもの場所に向かう。深夜は特に寂しいと言うもんだからつい会いに行ってしまう。
いつもの公園が見えてきた頃にポケットからスマホを取り出して電話かける。
「もしもし?私だけど」
「何?」
「何じゃないでしょ、会おうよ」
「なんで、今日も会ったでしょ」
電話越しにごそごそと音が聞こえて思わずはにかむ。
「待ってるから」
そう言って私は電話を切った。歩いてるうちに公園に着いたからベンチに腰かける。それにしても、誰もいない公園は正直不気味だ。冷たく吹く風に思わず縮こまった。
「…来るかな」
こうやって会うのはお互い眠れなくて寂しい時だけ。別に私たちは付き合ってないけど、要するにそういう仲だから今更告白なんて、そう思ってる。
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