吸血鬼愛音×そよ「ねえ、早くしてくれない?」
喉から手が出るほど欲しい血液。けど相手が相手だし噛む勇気が出ない。
「いやそのー、やっぱいいや…」
今にも欲しいのに、そよりんの血が。よだれだって止まらない。
「よくないでしょ」
そよりんは呆れた表情をしていた。でもどうしても噛みたくない。
「…へたれだよね、愛音ちゃんって」
「うっ」
「意気地無し」
「あー!もう!分かったってば」
そよりんは首筋を差し出してきた。
「ほ、ほんとにいいの?」
「早くして」
私はついに、そよりんの肩に歯を立てた。
段々と血の味がしてきて、満足感と罪悪感を満たしていく。
歯を抜き取るとボタボタと床に血が垂れる。
「そ、そよりん大丈夫?」
「うん大丈夫、だけど…」
「だけど?」
「血吸うの下手すぎ、服に付いちゃったんだけど」
「だ、って無理じゃない!?人の血直接吸うの初めてだし…」
「ほんとへたれだね、愛音ちゃんは」
「またそればっかりー…」
でも不思議とやみつきになるような味だった。