はじまりのキス※長編小説を書こうとして頓挫し、ずっと出し損ねていた小説の一話目です。単体でも読めるので、投稿しています。
※監督生♂がデュースの友人としています。ちょっとだけ喋ります。
↓
キスをされた。
きっかけは、よく分からない。運動場の片隅で、他愛ない話をしていたと思う。そしたらいきなり、キスをされたんだ。……シルバー先輩に。
「俺のことも、少しは見ろ」
シルバー先輩はそんなことを言って、拗ねたようにそっぽを向いた。……え? ぼ、僕、今、先輩とキス、しちゃったのか?
「し、失礼しますっ!」
居ても立ってもいられなくなって、その場から慌てて逃げおおせる。その僕の行動にシルバー先輩が後ろでどんな顔をしていたのかは、まだ知らないままだった。
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