独り占め うーん、顔が良い。
目の前で眠っている男の寝顔をまじまじと見つめながら改めてそう思う。
勿論顔だけが好きな訳ではないが、顔も非常に好みだ。元々「俺」の好みが反映されているのか「私」に影響されているのか、オルテガという存在は俺にとって非常に魅力的である。
逞しい体躯、誠実で優しい性格、低くて甘い声、精悍な顔立ち、強い眼差しをした黄昏色の瞳。
何もかもが俺の好みで参ってしまう。そんな相手から四六時中口説かれている状況で平静が保てる訳もなく、俺はいつもやり込められていた。
そもそも、誰かにこんなふうに求められた経験がないからどうして良いのか分からなくなってしまう時がある。その度にオルテガは優しく俺の手を引いてくれるのがまた好きだ。慣れない俺に焦る事なく付き合ってくれるのは本当にありがたい。
2690