その痛みは、　　の証。「……ふむ、それだとここの部分、ちょっと不自然にならないかい？」

「ああ、確かに。では……この部分。ここの寧々の登場タイミングを少し遅らせて……」

「なるほど。それだとこっちのバランスが取れなくなるけれど、こっちの方のセリフをもう少し伸ばせば……」



ある日のお昼休み。

ご飯を食べ終わった僕達は、次の公演に向けての話し合いをしていた。






今やっている公演は冬と雪をメインに据えた話だったため、もうじき春がくる今では時期はずれになってしまう。
そこで、そろそろその公演を終演とし、新しいショーを作ろうという話になったのだ。

脚本は既に司くんが形にしてくれたのを皆で確認したので、今は脚本と演出の摺り合せをしている。
今日明日で完成させて練習や機材の準備に入れば、今のショーの後にツカサリオンを少々やるだけで次に行けそうだ。

縁結び神社の御使い1ねぇ、知ってる？
縁結びで有名な鳳神社があるでしょ？
そこでお参りをした帰りに、犬の吠えるような声が聞こえたら必ず叶うんだって。


｢そんな噂があるみたいだよ｣
｢手助けをしているのは本当だからな｣
　女子高生達が楽しそうに話している姿を見ながら、司と類は門の近くにある台座に座って話をしていた。
　そんな二人に参拝者は気付かない。
　なぜなら、彼らはこの神社で祀られている神様の使いだからだ。
｢気まぐれだけれど｣
｢全員の願いを叶えてやりたいのは山々だが、それだとオレ達の力が尽きてしまう｣
　神様が信仰されている間は司と類に影響は出ないが、力を使いすぎれば人型を保つことが出来ず眠りについてしまうのだ。
｢でも、噂話の効果って凄まじいよね｣

【類司】浮沉轟隆轟隆。
「寧寧醬，打雷了。」笑夢感受到甲板下越發劇烈的晃動，說。
「嗯，別擔心，笑夢，相信妳哥哥一定能把我們安全帶到目的地。」雖然這麼說，但寧寧自己也不肯定。笑夢向她張開手，她順從地進入小巧溫暖的懷抱。
WS要至沖繩進行宣傳公演，笑夢的哥哥晶介先生提議由他親自駕駛遊艇，不料途中天候遽變，陰雲籠罩。兩個女生依偎著彼此，汲取安全感。
甲板另一側，類同樣展開雙臂，不過並非面對他的搭檔司，而是朝向廣闊的海洋。
「呀，司君！機會難得，你不看看海嗎？」
「哈，你在開玩笑嗎？風都大成這樣了，你不如想想這艘船如果翻了的話要怎麼辦。」
「我要怎麼辦…我會順從一切的安排，面對我應當面對的。」
司閉眼嘆了口氣：「唉，真受不了你，完全無法溝通。」

【類司】含苞待放經過前幾次的教訓，司學到，隻身一人前往類家有被當成獵物的風險，然而類邀請他假日到神山高中的天台讀書時，他卻沒有料到最終會演變成何種情況。
初春的暖陽太舒服，且課本的內容過於助眠，司沒讀幾頁便低頭打盹。類搖了搖司的肩膀。
「今天是週六耶，週六不去點更有意思的地方嗎？」司睜開一隻眼。
「我認為這裡就夠有意思了。」
「什麼意思？」
「司剛才睡著了對吧？這給了我處罰懶惰學生的理由。」
司沒有反應過來：「處罰？」
「你該不會以為，這一皮箱裡，全都是和戲劇有關的材料吧？」
一路上走來，司確實好奇為何類要特地帶皮箱出門，但因他總是有千奇百怪的主意，便未多問。
然而如果他提起，恐怕類也不會老實說，因為皮箱的扣鎖解開，全是粗重的鐵鍊。