Życzenie na gwieździe「星を観に行きませんか、ヨレンタさんも誘って」
楕円軌道に気付いてから劇的に証明が捗った。その日はオクジー君が見ても分かるくらい機嫌が良かったのだろう、配給を持ってきた自分を見て嬉しそうに岩から立ち上がると、彼はあり得ない提案を口にした。
星なぞ見えない、言おうとした口はしかし別の言葉を奏でた。
「なんでそんなことを言うんだ」
「最近知ったんですが文字を読むってすごく疲れるんです。バデーニさん、ずっとルーペで文字を見てるでしょ、遠くを見ないともっと、目が悪くなってしまうんじゃ無いかって、思って……」
最後は大きな肩を小さくして恐る恐るという口振りになる。
「そんなこと君が気にするな。それより頼んだ仕事は進んでいるのか?」
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