ヨモギ☆quiet followDONE『風と来たりし猫の恋』展示小説その5です!パスワードは『旅日記に君をのせて』でした!こちらの話のみ成人向けとなっておりますので未成年の方の閲覧はご遠慮ください。 Age verification Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow ヨモギDONEカラ一版ワンドロ・ワンライ2024お題「未来」「赤い糸」4期のある未来4期決定がめでたいのでとりあえず2人に踊ってもらったパーカーが畳まれてたので上裸赤い糸は描きてえって思ったから ヨモギDONE『風と来たりし猫の恋』展示小説その6です!パスワードは『旅日記に君をのせて』でした!グラいちオムニバス第陸話 難敵 草木も眠る丑三つ時。町外れの廃ビルが何やら騒がしかった。建物の中では男が二人、睨み合っている。片方は坊主頭にサングラス、和服といった格好で刀を構えている。もう片方は全身を白のスーツに包み頭にも真っ白な帽子を被っている。坊主頭が刀を鞘から出した途端、白スーツが銃を撃った。パン、パンッとテンポよく放たれたそれは、坊主頭の刀によって斬られた。白スーツはくつくつと笑い声をあげる。 「相も変わらず鋭い刀だなあ、カラマツ?」 対するカラマツ―カラ松もサングラスの奥で笑った。 「そっちこそ、ちっとも落ちぶれていないじゃないか、一松」 実はこの二人は、これまでに何度もエンカウントし、その度に激しい戦いを繰り広げてきた。しかし、互いに命を狙っているわけではない。いつからだったか、もう戦いが出会った時のお約束のようになっていたのだ。 5221 ヨモギDONE『風と来たりし猫の恋』展示小説その5です!パスワードは『旅日記に君をのせて』でした!こちらの話のみ成人向けとなっておりますので未成年の方の閲覧はご遠慮ください。 15027 ヨモギDONE『風と来たりし猫の恋』展示小説その4です!パスワードは『旅日記に君をのせて』でした!グラいちオムニバス第肆話 戦姫 暖かい風が吹いていた。まるで何かのアニメのコスプレのような古風な格好の男は、大きく息を吸った。 「春だな……」 優しい日の光を浴びて男、カラ松の顔は思わずほころんだ。こんな天気の日は気分が良い。近くの和菓子屋で団子でも買おうかと思ったその時、カラ松の前に何かが立ち塞がった。人ではない。カラ松の三倍くらいの大きさをした、何か。一つ目でこちらを睨んでいる。ドブのような色で鼻をつく臭いがする。思わず後ずさる。何だこの化け物は。化け物が歩いた後にはヘドロのようなどろどろした何かが湯気を立てて残っていた。背中に壁が当たる。しまった。もう逃げ場が。化け物が迫る。オレの旅もここまでか。これまでの思い出が蘇る。道を間違え正反対の方角へ歩いたこと。何もない所でバランスを崩し、かなり派手に転んだこと。『あなたに心奪われました』と言われ……たことは無かった。カラ松の旅先の子は皆内気だったのだろう。様々な思い出が走馬灯となって流れていく。不思議と後悔は湧かなかった。ただ今は、流れゆく記憶の欠片に思いをはせていた。あの世とは、どんな所なのだろうか。悪人はいるのだろうか。化け物がカラ松のすぐ側まで来た。カラ松は何も抵抗しなかった。化け物の頭部だけがずる、と伸びてくる。恐怖はもう無かった。カラ松が手を伸ばす。その時だった。 6715 ヨモギDONE『風と来たりし猫の恋』展示小説その3です!パスワードは『旅日記に君をのせて』でした!グラいちオムニバス第参話 純情 今日も今日とてグラサン風来坊、松野カラ松は旅を続けていた。目的などない。目的など存在しないのが旅なのだ。日々旅に生き、旅を住処とする。カラ松は新たに入ったこの町が気に入っていた。欧風でレンガ造りの建物が郷愁を生み出している。建物に関心を寄せていると、向かいの喫茶店から悲鳴が聞こえた。 「誰かっ!泥棒だー!」 カラ松はすぐに振り向き辺りを確認する。焦る店員の視線を追うと、なるほど。一人慌ただしく駆けていく者が見えた。カラ松もすぐさま駆け出す。泥棒は足には自信があったらしいが、場数ではカラ松に到底敵わない。あっという間に差が縮まり、泥棒はカラ松に捕らえられた。 「離せっ!クソが!」 「クソはどっちだ?盗んだ物を返すんだ」 6048 ヨモギDONE『風と来たりし猫の恋』展示小説その2です!パスワードは『旅日記に君をのせて』でした!グラいちオムニバス第弐話 歯車 日が昇る前から出勤して、サービス残業は当たり前。社食は硬いパンと薄いスープ。作業員には何を作っているのか知らせず、就職したら最後、骨になるまで利用される。そんな悪しき噂が後を絶たない工場、ブラック工場にグラサン風来坊は来ていた。外見から黒々としていて、名実ともにブラック工場であることを隠そうともしていなかった。あまりの黒さにグラサン風来坊―カラ松はサングラスを外した。一筋の月明りだけが彼を照らしていた。幸い警備は薄いようで、まるで駅に入るみたいに自然と建物の中に入ることができた。建物の中は暗かった。機械の錆と油の臭いが鼻につく。入ってすぐに案内図があったが、真っ黒で何も読めなかった。他の看板も黒く、手探りで向かうしかなさそうだ。工場の中は思ったよりも広かった。地下に通じる階段を下りる。臭いがさらに強くなった。あまりの異臭にカラ松は口元をいつもマントのようになびかせている布で覆った。暗闇にようやく目が慣れてきた。相変わらず道案内の役割を果たすはずの看板は、真っ黒。辺りを見回すと、ほんのりと明かりが漏れ出している部屋があった。部屋のプレートも真っ黒で読めない。思い切って扉を開けてみるとそこはこれまでカラ松が見てきたブラック工場とは似つかわしくない光景が溢れていた。まずはその明るさだ。おそらく一般的な照明のそれと変わりないのだろうが、目が暗闇に慣れたせいでかなり眩しい。カラ松はサングラスをかけた。やはり机やソファといった家具は黒いが、所々にフィギュアや金庫で別の色があるのを見つけた。そして部屋の奥、人影があった。カラ松は声をかける。 8080