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    06ni16ji

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    「70℃」「1.496×10¹¹ m」のオマケ。モブ視点

     今日は高校の同級生が一同に会する同窓会である。スーツやドレスに身を包んだあの時より大人びた同級生たちがワイヤワイヤとホテルのホールで騒いでいる。

     高校といえば、2年生の頃の恋を思い出す。結局は告げることもなく終わった恋だが、それでも大切な思い出だ。

     俺もあの頃から交友が続いている友人と楽しく話している。するととある女子が話しかけてきた。

    「久しぶりね」
    「お久しぶりです」
    「久しぶり」
    「久しぶりだね、二人とも」

     高校1年2年と同じクラスだった彼女のうち、敬語の方は一時松田と付き合っていると噂されていたのを覚えている。後に聞いた話だと周りの勘違いが勝手に進んでしまって止められなかったらしい。申し訳ない。

     クラスメイトとして割と仲良くなれたと思う。各々の近況を話しているとホールの扉が開いて、少し遅れてやってきた奴らが入ってきた。扉が広いたことに気が付いたら連中がそちらへ向いて──目を見開いた。

     入ってきたのは松田と萩原だった。

     二人とも昔やりも精悍な顔つきで、しかももう三十手前なのに衰えていない均衡の取れた体に、その体に見合うスーツを着こなして周りの目を引きつけている。イケメンに磨きがかかったようだ。

     萩原はその変わらず甘い笑顔で周りに挨拶をして、松田もぶっきらぼうながらもそれに続いている。その様子を少し遠くから四人で眺める。

    「……どう見ても萩原の腰抱いてるよなぁ、松田」
    「ですねぇ……」

     歩いているときは流石にそばにいるだけだが、萩原が立ち止まり人が寄ってくると彼はそっと萩原の腰を抱いている。

    「ここは結婚式会場だったかしら」
    「同窓会の会場だよな、ここ……」

     友人たちが、戸惑うのは無理はない。明らかに二人はあの時よりさらに密着しているし、こう、雰囲気が甘いのだ。萩原だって松田に大人しく腰を抱かれているし。


     たぶん無事くっついたのだろう。


     そういえば昔、敬語の彼女は松田を、俺は萩原を太陽と言っていた。つまりあの二人は太陽コンビ。

    「太陽と太陽がくっつくとどうなるんだろ」
    「……ビックバンとかですかね……?」

     宇宙が誕生した。
     人の目を気にしているのかしていないのか、ひっそりとイチャつく二人。まぁとりあえず言えることはただ一つ。






     どうぞお幸せに。







     この後二人は嬉しいことに俺達にも話しかけてきて俺達はイケメンのご尊顔と二人の甘い雰囲気を間近で受けて砂糖を吐くことになったのであった。

     めでたしめでたし。
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