【ハイネの過去妄想】発明家が旅人に会うまでの物語ある日ハイネはシャトラの酒場でひどく酔い潰れては、カウンターに突っ伏していた。
ハイネのよきライバルであり、同じ発明仲間のフィアソラが、自分の作った潜水艦に乗って海底に行ったきり、もう何日も戻ってこないからだ。
あの時海底に行くと言い出したフィアソラを引き止めるべきだったかもしれないと悲しげにつぶやくハイネに、酒場のマスターはハイネの気持ちに共感したうえで、新しい道を切り拓くためには時に勇気を出して飛び込むことも必要だと諭した。
何事も手につかず、自堕落な日々を過ごしていると、ハイネはフィアソラと共同で作った発明品を偶然目にした。発明品を見てはフィアソラと過ごした日々のことを思い出して目を細めるハイネ。このまま悲しみに暮れていたら、いつかフィアソラが帰ってきたときにやつれた自分の顔を見て笑われてしまうだろう。そう思ったハイネは一歩ずつ前に進みながらフィアソラの帰りを待つことにした。
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