mhyk謎解き期末試験 数週間後、ブラッドリーとネロは二人で海に来ていた。遅刻しかけた所を助けてくれた礼も兼ねてネロから誘った。
「あのさ、ブラッド」
ずっと言えないままでいた、大事な話をするために。
「俺さ、大学……行きたいんだ」
この町を出て短大で料理を学びたい。小さな声で言ってネロは俯いた。本当は何も言わずに黙って出ていくつもりだった。正直に話してもそんなのはガラじゃないって、笑われるかもしれないし。何より自分に自信がもてなかったから。
でも、あの日、テストの朝。迎えに来てくれたブラッドリーのバイクの後ろで思ったのだ。自分の言葉で伝えよう。ちゃんと、ケジメをつけようと。
そんなネロの言葉を聞いたブラッドリーは笑うでも、怒るでもなく、ただ静かに息を吐いた。
1433