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    WanwanYama00

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    すずれさんとバターの無知シチュ

    観察する蝶 買い物ついでに寄った、騒がしい『いかれた街』の通りを久しぶりに歩いている。
     まあ、普段暮らしている『花々のつどい』もお喋りな花が沢山なので、騒がしさ的にはいい勝負だが。
     近頃お腹を空かせたアリスが来ないので、俺はすっかり退屈していた。
     ぶらぶら当てもなく歩いていると、やがて賑やかな建物が目に入った。
    「あ。久しぶりに遊ぼぉっと♥️」

     ラヴィガードのフェイカーが経営するカジノバー『777』ではイカサマが当たり前なので、程々にゲームコインに替える。
     受付に対価を求められたので、羽を少し取り千切った分だけ黄金色に焼けたブリオッシュを出して渡した。
    「はい、確かに受け取りました」
     別の従業員がカゴにパンを入れて奥の部屋に持っていく。
     あのパン達は、ここで働く従業員・アリス達も食べるのかな。そう思うと腹の下が熱くなった。

     スロットマシンにコインを数枚入れてハンドルを引く。チャラチャラと間抜けなBGMを響かせてリールが回り始め、絵が揃うようにボタンを押していく。
     ニヤニヤ嗤う猫の出目が揃う。コイン払い出し口から出目に対応した枚数のコインが出てきた。
     このスロットマシンもイカサマがされているので、ある程度のコインを客が得るとそのうちどんなに狙っても外れてしまう。
     負けず嫌いなフェイカーらしい。しかし暇潰しにはなる。
     俺はまたスロットマシンにコインを投入した。

     しばらく遊び喉が乾いたので、バーで何か飲むことにした。
     薄暗い店内でバーカウンターを探していると、別なものを見つけた。
     いつもはピンと背筋が伸びている彼女が、今日は若干背を丸めていた。
    「すずれちゃんだぁ♥️」
     濃い睫毛に縁取られたはっきりした眼が大きく開く。
    「ナ、ナイフさん…!」
     もじもじと顔を赤らめて小さな声で返事をした。
    「なにやってるのぉ?こんな所で会うの珍しいねぇ♥️」
    「ええ、まあちょっと…」
     いつもと違い、しどろもどろに返事をする。なんだろう。フェイカーにゲームで負けたのかしら。
     その時、横からどろりとした声が聞こえた。
    「なあ姉ちゃん、さっきから呼んでるのに全然こねえじゃねえか」
    「いつまで待たせるんだよ」
     少し離れたテーブルで、スライムと鳥頭の客が大声をあげている。
     せっかくすずれちゃんとお話している途中なのに。
    「俺ぇすずれちゃんとお喋りするからぁ、野郎は静かにしててねぇ♥️」
     俺の苛立ちが声に出たのか、他の給仕を見付けたのか、客は舌打ちすると諦めたようだ。

     「どうしたのぉ?フェイカーに負けた?」
    「あの…。ち、ちょっとお店に迷惑を掛けた?みたいで、少しの間働くことになったんです」
     言いにくそうにすずれちゃんは答えた。
     お店に迷惑を掛けると働かなくちゃいけないなんて大変だなあ。とりあえず、すずれちゃんがここにいる理由が分かったので満足した。
    「じゃあ俺ぇ戻るから♥️お仕事頑張ってねぇ♥️」
    「あ!あのっ!?ナイフさん!!」
     がしりと羽を捕まれたので振り返ると、困り顔で「お店終わるまで、ここにいて下さい…!」と消え入りそうな声でお願いされた。
     先程の様子から考えると、柄の悪い客に困っているらしい。
    「暇だから、いいよぉ♥️」
     にこりと笑うと、すずれちゃんも明るく微笑んだ。

    「そういえばぁすずれちゃん、ここの制服良く似合ってるねぇ♥️」
     思ったことをそのまま伝えると、すずれちゃんの顔がカッと赤くなった。
    「そうですかね…」
    「うん♥️でも、ここの制服って面白いよねぇ♥️良く見せてよぉ」
    「えっ!?ちょっと…!!」
     逃げようとする腕をまとめて片手で抑える。すずれちゃんは頑張って抵抗してるけど、そよ風位の微々たる力だった。ソファーに座ってすずれちゃんの顔が見えるように俺の膝に乗せる。
     まず制服で特徴的なのは首もとから伸びる紐だ。胸と股の間を通って後ろへ続く。
    「この紐ってなんだろうねぇ♥️」
     胸元の紐が繋がっている輪ッかをクルクル捻ると、すずれちゃんは苦しそうに息を詰まらせた。
    「ナイフさ…ん!苦しいからッ…!」
    「ああ、ごめんねぇ♥️」
     今度は引っ張ってみようとしたが、胸の前の布が邪魔だったのでチャックを下ろした。
    「………?」
     すずれちゃんは何をされたのか分からずキョトンとしていたが、だんだん頭の処理が追い付いたのか大きな声をあげた。
    「ナイフさんッ!!こんなことしン"ッ…!」
     観察の邪魔だったので、腕を抑えている手の反対側で口を抑える。もがもが言っているがだいぶ声量が小さくなったので、もう一対の手で観察を続ける。
     胸元の紐を弾いたり引っ張ったりすると、すずれちゃんは連動するようにビクリと身体を震わすのが面白くてしばらく夢中だった。
     気が付くとすずれちゃんはグッタリとしていたので、慌てて口元の手を外した。
     顔を赤らめて息が上がっている。睫毛に囲まれた瞳は、涙で潤んできれいな宝石みたい。
     良かった。これは気持ちいい時のアリスの顔だ。
     謎の紐は散々遊んだので、チャックを上げて片付けた。
     腹部分に切れ込みが入っているので、あれが見たくなった。あれって名前何だっけ。
     ああそうだ。臍だ。
     卵から生まれた俺には無い窪み。薄い皮膚をカリカリ引っ掻くとまたビクリと震える。
     「…はっ、んッ」
    「すずれちゃん、たくさん気持ちいいよねぇ♥️」
    「ほら、俺の膝湿ってるもん♥️確かアリスはここから体液漏れちゃうんだよねぇ」
     股に張り付く布の横から指を入れるとぬるぬるしていて、柔らかい突起に触れようとした時、胴体にドンと衝撃が走った。
     すずれちゃんの膝蹴りが入ったのだ。抵抗ってやつだな。痛くはないが、これ以上は止めた方がいいと感じた。無理矢理観察を続けると家に来なくなってしまう。
     すずれちゃんの食事を頬張る顔が見られなくなるのは嫌だ。

     両手を解放した後、すずれちゃんに「他人の身体を弄ぶな」「自他共に愛を持って接するように」等、へろへろながらも一生懸命説いていた。その様子が可愛いので俺は「はぁ~い♥️」と、とびきり良い子の返事をした。
     
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