あいつとトリコロール 私はTシャツ。よくトリコロールって呼ばれてる。
私の持ち主は私を一番格好よく着こなしてくれるハンサムで屈強なボディのガイ。私は彼のお気に入りの一枚でしかないけど、彼は私をよく着てくれた。私はそれだけで十分だった。
けど彼はある日戻って来なかった。でも私はいつかこんな日が来ることを知っていたの。だって彼は市民を守るヒーローだったから。だから私は彼のTシャツであることがより誇らしかった。
そうしんみりしてた時にあいつが来た。あいつは彼の一番の同僚で彼と同じヒーロー。そのあいつが私に迫ってきた。
あいつは私に彼の名を呼びながら体液を押し付けてしつこく何度も何度も擦り付けて切なく声を上げてきた。そんな姿を第三者に見られて仲を肯定されて……。私は恥ずかしい。彼のTシャツであることを誇らしく思っていたのに、同じ思いをしているあいつに絆され、受け入れてしまった。
それからは何かある度にあいつを受け入れた。奇跡的に帰ってきた彼にまた着てもらいながら、それなのに私は何度もあいつを受け入れた。私の誇らしい彼の隣であいつを受け入れる……。それはとても屈辱的で、背徳的で……ひどく溺れた。私にはもう求めてくるあいつを受け入れないという選択肢はなかった。
だというのに……。これはどういう状況なの?!彼に私を着させて私の上からあいつが彼を、彼を……。あぁっ、彼の屈強で豊満な体を私ごと揉まれていく。強く優しく……。そしてあいつの顔が私に近づいて、埋もれていく。あいつの吐息に合わせてトリコロールの字が熱く震えている。私に飽き足らず、彼もあいつに……。
本来ならTシャツである私が彼を外敵から守るのが仕事なのに、私があいつを受け入れてしまったから。彼をあいつの手から守れなかった……。私があいつを受け入れてしまったために、彼のわずかに出た部位をあいつが易々とつまみ上げていく。抵抗のない裾をたくし上げて、無防備な中を蹂躙していく。
私がわかるのはここまで。その後あいつは彼から私を剥ぎ取って、ベッドのそばに落とした。私が抵抗しないせいで彼は身を守る手段を失い、あいつを受け入れてしまった。
あぁ私は自分の領分を超えていたんだ。だから私は誇らしい彼の肌を守ることもできない、しがないTシャツに戻されてしまったのだ。