masasi9991 @masasi9991 妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど平和なのと燃えとエロと♡喘ぎとたまにグロとなんかよくわからないもの ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 413
masasi9991☆quiet followDONEゼロクスの平和な日曜日と小さな事件 ##RMX ##ゼロクス 日曜日とマーケットと小規模な事件 全速力で走っても普段の半分の速度も出せやしない。この軽量スニーカー風のフットパーツでもダッシュ用に多少のジェット噴射はできるけど、そんなことしたらそこら中の人にぶつかってしまう。 日曜日の晴れた青空と綿毛の花びらが舞う平和な並木道。こんなに焦ってるのは、オレひとりだ。「どいて、……あ! すみません! どいてください!」 どうにか大声で謝りながら、道を開けてもらって、時には失礼にならないように押しのけながら、走っている。 これほど人が集まってるなんて予想外だった。公園の入り口あたりじゃ、まだそこまでの人出じゃなかった。だから急がなきゃと思った通りに走り出してしまった。ところが二つ目のゲートを越えて広場に続く並木の道に差し掛かると、だんだんと人混みが激しくなってきた。混雑のあまり前がろくに見えないほど。それはオレの背が低いせいもあるんだけど。 何しろ今日の予定は買い物だけだったから、ほとんど武装をしていない。そう、いつものフットパーツも置いてきた。なおさら目線が低くなる。フットパーツの高さなんて数センチ? その程度でも、オレの身長じゃ大問題だ。 並木は時期を迎えて薄紅色の綿状ガラスの花を一面に咲かせている。つまり、花見客か。こんなときに困ったな。いや、待ち合わせと買い物だけの日曜だったら、むしろすごくいいタイミングだったのに。『大丈夫ですか? もしよかったら他のヒマそうなハンターに声をかけようかと思ってたんですけど。あー、アクセル! いたー!』 繋ぎっぱなしの通信回線からパレットののんきな話し声が聞こえた。どうも通信の合間にスナックでもかじってたみたいで、パリパリというノイズが時々聞こえる。仕方がない、彼女も今日は非緊急事態対応の待機で日曜出勤だ。「すみません! いや、うん、こっちの話。心配しないで、すぐ捕まえるよ」『でもそんなに急がなくても、スリのシルバー・ネクストが拘置所から逃げ出したってだけですから、他のハンターでも充分だと思うんですよね』「いや……今日のこの人混みは、被害者を増やしてしまいそうだ。それに追跡データがはっきり受信できるうちにカタを付けたい」『イレギュラー? ボクが行こうか』 会話にアクセルの声が割り込んできた。パレットのマイク越しで、ちょっと遠くに聞こえる。『そうする? 待ってね、データ出すから』『休暇中で丸腰のエックスよりボクが行ってバンバン撃っちゃった方が早いでしょ』『エックスさーん! 聞こえてました? アクセルが』「聞こえてる。でもだめだ。あ、すみません……。お荷物、持ちますよ」『何やってるんですか』「おばあさんが、あ! 行っちゃった。とにかくアクセルじゃだめだ。こんな人混みで銃なんか撃てないよ」『ボクの狙撃能力を信じてないの』 さっきまでより大きな声がマイクに割り込んだ。きっとパレットの隣で顔をくっつけて叫んでる。想像して、思わず吹き出してしまった。それどころじゃないってのに。「それにシルバー・ネクストは変装の名人って話だ。近づいて慎重に対応しないと」『変装? コピー能力?』『変装って言ったら変装だよ。エックスさん、反応は広場のあたりです』「了解」 花見の人混みを抜けて、広場へ――といっても、広場も人影だらけだ。何しろこの公園では日曜日にマーケットが出る。花の季節じゃなければ、普段はむしろこっちが本命なんだ。しかし今日は花に客を取られているのか、それともオレが走ってきたおかげなのか、マーケットの買い物にはいつもより余裕が持てそうだった。 もちろん、イレギュラーを確保してから。 沢山の出店で迷路のように入り組んだ広場を警戒して歩く。スリの心理で考えたら、ボーッと歩いてる人とか、他のものに気を取られている人とかを狙って怪しい動きをしているんじゃないだろうか。ということは……。 考えながら歩いていたら、待ち合わせの噴水前まで来てしまっていた。 まだ、ゼロは来ていない? と一瞬思ったのは、その場所に居た背の高い女性の方が先に目に入ったからだ。知らない人だ、もちろん。そしてもちろん、オレはすぐにゼロの存在にも気がついた。「ゼロ」「エックス!」 女の人の影からひょいっと顔を出したゼロが、オレに向かって手を上げる。なんだか、話し込んでたみたいに見えたけど。「あら、残念」 ハスキーな声で女の人は呟いて、ゼロの傍から離れてこっちに向かって歩いてきた。 ゼロは特に興味もなさそうだ。……そりゃそうだ、わかってはいる。「待ってたぜ。人が多くて参ってたところだ。さっさと用事を済ませよう」「あのさゼロ、悪いけど今それどころじゃなくって」 こんなときにナンパの相手なんかしてるんじゃない。きっとナンパだとも気付いていないな。まったく君はいつも無防備すぎるよ。無頓着というか。 頭の中で一通り考えながら、結論としてこれって八つ当たりか何かだと気付いたので、思わず自分自身にため息が出る。 気を取り直して、前を向いて、「さっきパレットから通信が入って――」 その瞬間だった。ゼロの金の髪と赤いボディが、青い空の下で閃光のように瞬いた。 オレのすぐ横をすれ違いざまに――そして同時に、鈍い音が広場に響く。「グェッ」 発声機関が押し潰されたような悲鳴。何かが吹き飛ばされ、地面に何かがめり込んだ、一連の鈍い音。広場にちょっとしたざわめき。そしてオレの横で拳を握りしめて仁王立ちしているゼロ。 ぎょっとして地面を見下ろすと、顔面を殴り飛ばされて地面にめり込んでるのは……さっきの女の人!?「ぜ、ゼロ! 何やって」「エックス、お前の財布だ」「えっ? わっ!」 ゼロがポンと投げて寄こしたのは、たしかにポケットに入れていたはずのオレの財布だった。「ええっ!? ということは」 拉げた顔のフレームにバチバチと電流が走っている。ひび割れたそこが更にショートして、バキン、と音を立ててロングヘア風のアクセサリーパーツまで割れる。そしてその下から現れた顔は、結構な……。ヘアアクセサリがないだけで、随分顔の印象が変わるものだ。「シルバー・ネクスト……」「誰だ?」 ゼロはやっぱり前っ全わからない、興味がない、って感じで首を傾げている。「き、君、手加減した?」「俺がそんなことできたと思うか?」 改めて、そのスクラップ寸前のボディを見下ろす。寸前で済んでいると願いたい。頭部に一撃を食らっただけなのに頭から地面にめり込んで、全身を痙攣させているが。何かしらのパーツで盛られた胸とお尻も外れかけている。 にしても、さすがにスリで問答無用のスクラップというのは……。 やっぱりオレが早く対応しなければならなかった。「まあ、そんなことより早めに買い物でもなんでも済ませて帰ろうぜ。人混みはあまり得意じゃない」「いいや、そういうわけには……回収班を待たないと……」「これのか? どうせもう動かんだろう」「だからって放置はできないよ」 だんだん広場の人出も増えてきた。人の目が痛い。遠巻きに見られている。今日は平和な休日のつもりだったのに。 落ち込んでるオレをよそに、ゼロは「何を買う予定だったのか? 食い物か?」なんてのんきなことを言っている。(了)Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow masasi9991DONE道タケ漣のキスの話二人ですること 今日のコイツは見るからに機嫌がいい。一体何があったんだ? ……どうせ、些細なことだろう。昼に食った円城寺さんの弁当が、ウマかったからとか。いや、円城寺さんの弁当は大抵ウマいけど、今日は俺とコイツの好きなおかずがたくさん入っていた。 そういうのだけで、あんだけ上機嫌になる単純なヤツ……は普段よりも文句は少な目、騒がしさは上で、円城寺さんの買い物にも付き合って荷物持ちをさせられ、円城寺さんのアパートに着いてからも食材や日用品の収納の手伝いのためにそう広くないアパート内をあちこち行き来していた。円城寺さんの後ろにくつついて。まるで飼い主の背後をちょこちょこと着いて回る犬みたいだ……と見てて思った。 「タケル、漣。午後からずっと家のこと手伝ってくれてありがとうな」 1704 masasi9991DONE膝枕したい道タケ漣デカくてやわらかい「いつも、してもらうばっかだろ」 「あん?」 「お返しにこっちからできねぇかって話だ。……オマエはそんなこと考えねーか」 「らーめん屋がやりてーっつーからやらせてやってるだけだ。オレ様はカンダイだからなァ……その、ヒザマクラっつーやつも」 「そうか」 畳に胡座かいて座ってるチビがオレ様を見下ろしてフッと鼻で笑った。意味わかんねーからムカついてその喧嘩を買ってやろうかと思ったが、メンドクセえ。寝転がったままチビの言ってたことを考える。 ヒザマクラ? ヒザっつーか、太ももをマクラにするやつ。よくらーめん屋がやってる。 らーめん屋の太ももは枕としてはそれなりに悪くない。らーめん屋の暑苦しい体温も寝るのにはちょうどいいし、頭や背中を撫でてくる手がそこにあるのもいい。つまりらーめん屋が勝手にやってりゃいいんだ、そういうのは。 2159 masasi9991DONEおやすみの前の道タケ漣一番いい場所「しまった。あれを忘れてた」 さあ電気を消して寝ようか、という瞬間に急に思い出して布団を出た。タケルが「え」と呟いた。漣は、「ハァ?」だって。二人ほとんど同時に。 あれ、っていうのはあれだ。大した用事じゃない。しかし寝る前に片付けておかないと、明日朝起きてからだと……。ともかく大したことじゃない。布団を出て、台所に立ってやり残したことをすべて片付けた。ものの十分ぐらいだ。それでも罪悪感をたっぷり抱えて、再び寝室に戻った。 だってさっきの二人の一言、寂しそうだったじゃないか。まあ、一言というか一声、たったそれだけだったし、寂しいったって別にドアを挟んですぐそこにいるんだし、そもそも自分の自惚れが大げさに感じさせているというのは大いに否めないが、あの反応がかわいくてたまらなくて。 1347 masasi9991DONEお昼寝する道タケ漣うたたね とん、と寄りかかってきた円城寺さんの重みと熱と、すぐ近くに聞こえる規則正しい寝息。それから心臓の音……は、俺のか、円城寺さんのものか、どっちかわかんねぇ。ドキドキする。それと向こう側で不貞腐れてるヤツの、横顔。 優越感――思わず口元が緩んだ。とはいえ、横目で円城寺さんとソイツを眺めながら、胸ん中に浮かんできたのはそれだけじゃないって気もしてる。 ソイツが子供っぽく尖らせた唇の、薄いピンク色に少しだけ見とれた。 「静かにしてろよ」 小声で呟く。が、思ったより自分の声が部屋ん中響いた気がして、慌てて円城寺さんの顔を覗き込んだ。……大丈夫だ、起こしちゃいねぇ。俺の肩を枕にして、円城寺さんはすっかり眠ったままだ。 1366 masasi9991DONE寒い朝の道タケ漣冬の朝のいたずら 小柄な二人の背中が、ちゃぶ台の前で小さく丸まって座っている。喧嘩は一時中止らしく、寒い寒いと口を揃えて不満を漏らしつつ顔を洗って部屋に戻ってきていた。 二人とも、この間自分が買ってきた青と赤の半纏をそれぞれ羽織ってくれている。分厚くて温かいそれで着ぶくれした後ろ姿はまるでハムスターや兎のような小動物が寄り添っているかに見えて、思わず口元が緩んだ。買ってきたときは二人とも微妙そうな顔をしていたけど、やっぱりよく似合っているし、こんな寒い朝にはぴったりだ。 「洗面所、そんなに寒かったか? まあ飯を食ったら温まるさ」 「洗面所も、この部屋も寒い……」 「らーめん屋、自分の家なのに寒いかどうかもわかんねーのかよ」 1540 masasi9991DONE夜の道タケ漣風景 五 隣でもぞもぞと動く気配がして、目が覚める。まだ、夜中だ。部屋は真っ暗だけど、気配と体温で動いているのはタケルだとわかる。 ふと身体を起こしたタケルは、トイレにでも行くのだろうか……。半ば夢のようにぼんやりとそんなことを考えていると、起き上がったタケルがこっちを向いていることに気がついた。それから、すぐに布団の中へ戻ってきた。さっき起きたときと同じところへ。……と思ったけどどうやら違う。自分が目を覚ましたときより、ぽっと暖かくなった。タケルの体温だ。 一度起き上がったタケルがこちらに寄りかかってきて、頬を自分の胸のあたりに押し当てている。心地いい重さだ。顔を覗き込むと、すっかり眠っているらしかった。うつ伏せ気味の背中も穏やかに上下している。きっとさっき起き上がったときも、寝ぼけていたのだろう。 1280