年に一度しかない誕生日のこと「え? ソイツそのまま寝かしちまうのか」
「うん。まあ、今日ぐらいはな」
と円城寺さんは笑って答えて、三つ並べた布団の一つにソイツを押し込んだ。
円城寺さんに荷物のように抱え上げられても全く動じず寝息を立てて続けてたから、どうせそうするしかねぇってのもわかるが。
「ま、なんとか歯は磨かせたし、風呂は明日でもいいだろう。さしもの漣も今日一日ずっとあのはしゃぎようじゃ、疲れても仕方ないさ」
「風呂、っつーか……。ソイツが一日中大騒ぎだったのは見てたから知ってるけど……」
なんて会話をしながら、円城寺さんも大きなあくびをした。眠そうだ。俺も眠くなる。なんであくびって見てるとうつるんだろうか。
「疲れてんのはコイツより円城寺さんの方じゃないか」
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