善き友人日和くんのお家には犬が住んでいて、彼は日和くんにとてもよく懐いていた。手入れの行き届いたすべらかな毛並みを持ち、穏やかで柔和な瞳をした彼は、出会ってすぐに、私とも善き友人になってくれた。彼について私が知っているのは、ボルゾイという犬種であること、とても身体が大きく、とてもかしこいのだということ、日和くんと同じ生まれつきの貴族で、日和くんよりも家のことを知り尽くしているのだということ。彼のことはすべて、日和くんが教えてくれた。
「わあっ、びっくりした!」
ふたりでベッドで遊んでいるとき、突然日和くんが大きな声をあげたので、私は髪をぐちゃぐちゃにしたままシーツの中から顔を出した。見ると、私と日和くんのベッドの上に、彼が静かに腰を下ろしていた。彼の長い脚は慎ましく折りたたまれ、白く長い毛がシーツへ流れ、溶け合って見えた。大きな声を出しちゃった、と言いながら日和くんが手を伸ばすと、彼は心地良さそうに頬ずりし、顎の下を撫でられて微かに鼻を鳴らした。
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