Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ___h_n017

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 1

    ___h_n017

    ☆quiet follow

    🐶

    #ひよなぎ

    善き友人日和くんのお家には犬が住んでいて、彼は日和くんにとてもよく懐いていた。手入れの行き届いたすべらかな毛並みを持ち、穏やかで柔和な瞳をした彼は、出会ってすぐに、私とも善き友人になってくれた。彼について私が知っているのは、ボルゾイという犬種であること、とても身体が大きく、とてもかしこいのだということ、日和くんと同じ生まれつきの貴族で、日和くんよりも家のことを知り尽くしているのだということ。彼のことはすべて、日和くんが教えてくれた。

    
「わあっ、びっくりした!」
    
ふたりでベッドで遊んでいるとき、突然日和くんが大きな声をあげたので、私は髪をぐちゃぐちゃにしたままシーツの中から顔を出した。見ると、私と日和くんのベッドの上に、彼が静かに腰を下ろしていた。彼の長い脚は慎ましく折りたたまれ、白く長い毛がシーツへ流れ、溶け合って見えた。大きな声を出しちゃった、と言いながら日和くんが手を伸ばすと、彼は心地良さそうに頬ずりし、顎の下を撫でられて微かに鼻を鳴らした。

    「おかしいね、扉を閉めたとおもったのに。少し開いていたのかな」
    
「……かれが、あけたの、かも」
    
「ふふ、そうかもね」
    
日和くんが愛おしげに彼の毛並みに掌を埋め、姿勢のよい身体をほぐしていくようなしぐさで動かす。彼は日和くんの方に端正な顔を近づけて、礼をするように恭しく首を垂れて日和くんの肌を舐めた。

    「ひゃっ!あはは、こら、だめだめ…」

    日和くんが困ったように眉を下げて、だけど楽しそうに笑っている。私が彼の方へ手を伸ばして触れると、彼の鼻先がこちらを向き、穏やかな瞳は私の瞳をまっすぐに見つめる。私はシーツの中から這い出て、両手を彼に差し出して、日和くんがしたように彼の身体を撫でる。頭のうしろの方で、日和くんの手が今度は私の毛並みを整えてくれているのが、感触でわかった。彼は私にはキスをくれ、長い尻尾はずっと太腿をくすぐるように揺れていた。
    
「どうしようね、この子、とっても遊んで欲しそうだね」

    日和くんは裸のままご主人様の顔をしていた。私は、私も日和くんと遊びたい、と思った。
尻尾を揺らして私を見つめる彼のほおに手を触れ、そっとキスをした。そして彼の柔らかい耳に唇を寄せて、あることを囁いた。
彼は何も言わないが、依然穏やかなまま、そろりとベッドから降りた。そして気品ある足取りで日和くんと私の部屋の扉を通り抜けて行った。日和くんはとても不思議そうな目をして私をみた。私は日和くんがなぜそんな顔をしているのかわからず考え、ああ、と思い至って口を開いた。

    「…となりのへやで、まってて、…っていったの」

    そのとき、日和くんの目がみるみる大きくなり、なんだかとてもびっくりしているのがわかった。けれど私ははやく続きがしたかったので、構わず日和くんの身体に抱きついてキスをした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💕☀🍫💚❤🐶
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works