ホリクル「聞いたか? クルトゥネ、相方出来たって」
「——……、は」
ホーリー・ボルダーは、暴れチョコボにでも蹴られたかのような衝撃を受けた。
大きな手には少々不釣り合いなサイズのフォークに巻き付けられていたカルボナーラが滑り落ちたが、再び巻き直される気配はない。
ミコッテ族の男は、耳と眉を下げながら笑った。
「やっぱり知らなかったのか。クルトゥネが誰かと組むのならお前だと思っていたから、お前に振られたのかと邪推してたんだが、違うみたいだな」
「……詳しい話を聞かせてもらえますか?」
ホーリー・ボルダーは落ち着いた風を装っているが、普段よりも瞬きが多く、語気の強さも抑えきれていない。
鋭い緑の瞳には焦りと悲しみが滲み、まるで失恋した男を見ているようだとミコッテ族の男は細いため息を吐いた。
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