コナギャ週末を目前にしたある金曜日、家主とアンドロイドは空調の効いたリビングで過ごしていた。
「ギャビン、きみって、意外とかわいい口してるね」
おもむろにコナーはそう言った。目をぱちくりさせたギャビンは、声の主のほうを向くと口の中でころりと棒付きキャンデーを転がす。そのままジトリとした目つきとともに、口をもごつかせて答えた。
「お前さあ。……ハア。今、エロいこと考えてただろ。こっちはまだ仕事のこと考えてるっつうのに」
「いやだな、エロいこと"だけ"考えてるわけないじゃないか。君の今やってる地道な情報収集とアリバイ作りのシミュレーションは、僕もこの最新鋭の頭脳でさっきから同時並行中」
小綺麗に整えられた指先が、青いLEDの光るこめかみの辺りをトントンと叩いた。
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