優等生じゃいらんねぇ!「あーやっちったなー……」
深夜、俺は高専寮への坂道を歩いていた。べったりと頭皮や肌に張り付く髪。汚れた制服。汗なのか泥なのか呪霊の体液なのかわからない色々に塗れている。多分全部だろーけど。
人里離れた山の中で任務だったから半日走り回ってたらもうこんな時間だった。すぐシャワーを浴びて横になりたかったけどそんな宿なんて近くにあるはずもなく。ただでさえ汚れた格好で補助監督の人の車に乗るのも申し訳ないし、さらに宿のある街まで行ってくれとは口が裂けても言えない。最短で高専に帰るのが最善だと思ってここまで来た。
でもなぁ、もうこの時間大浴場閉まってんだよなぁ……。
タイミング悪く部屋に備え付けのシャワーは故障中。だからこそ浴場が開放されている時間には戻って来たかったのに、呪霊のせん滅に時間がかかってしまった。
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