ブラモモ(?)――教師は毎日大忙し。子供たちに授業を教えたり、精神状態にも気を配り、そして立派な大人として手本になる存在でなければならない。
間違っても失望されることはしてはならない。子供たちの前では常に気を張る仕事だ。
だから、放課後みんなが帰ったあと、つい気が抜けてうたた寝してしまうこともある。
他の先生に起こされたあと、残っている仕事の量に絶望して、もう全部夢だったらいいのにと思う。
「…………はぁ。がんばろっと……」
「こんばんは〜」
「きゃぁっ!?……ってブラックさん。ビックリさせないでください!」
「カカカw すいませんw」
悪いと思ってなさそうな態度のブラックに、モモはまだ少し怒ったふりしつつ、なんの用かと聞く。
「特に用ってわけじゃありませんが……1人で残って何をしてるのかと思いまして。」
「あぁ、実はうたた寝してしまって仕事が残っている状態でして……」
「そんなに疲れているんですか、大変ですねえ。」
「…まあ……でもそういう仕事ですから。子供たちのためにも頑張りますよ。」
「カカッ立派ですね。……あ、そうです、モモ先生の疲れが取れるかもしれないお店を紹介しましょう!」
「え?疲れが取れるかもしれないお店…?」
「はい。魔界のスパです。」
「魔界のスパ…?」
「紹介制でちょっとお高めですが、疲れも取れて肌も綺麗になって健康的になるんだとか。」
「疲れも取れて肌も綺麗になって健康的に…?」
「オレちゃんの言うこと繰り返すだけなのやめてください。
……スパ行きます?」
「はい!ありがとうございますブラックさん!」
――ブラックに連れていかれたスパは隠れた名店といったところで、見るからに職人っぽい店主がいて、暖かくて疲れに染みる温泉と、気持ちよすぎて眠ってしまうほどのマッサージを施された。
ブラックもブラックでそれを堪能していた。
「ふぁ〜……すっごくリフレッシュできましたあ。
とくにマッサージ、いつのまにか眠ってしまってて……もうすっかり肩が軽いです。」
「オレちゃんも編集作業で凝り固まっていたのがほぐれました。たまには来てみるもんですね。」
「ありがとうございますブラックさん…!
お礼になにか奢らせてください、近くにバーがあるみたいですし!」
「それ、モモさんが呑みたいだけでは?」
「えっそんなことは!……なくもないですが……」
「カカカw いつもより素直になるくらいリラックスしたのなら、誘って良かったです。せっかくなんで、付き合いますよ。」
「えへへ♪」