種族反転ブラさと ブラックは俺と会った頃と違って、家にいることが多くなった。健康のために散歩するとか、俺とYouTubeの撮影するとか、そのくらいでしか外に出ない。
学校はもう行かないの?って聞いたら、とっくに卒業したじゃないですか。って言われた。
「さとしくんは昔からバカですね。」
「うぐ……ブラックは天才だからわかんないよ!」
「本当に天才なら、不老不死の薬でも作りたいですね。」
「え!?不老不死!?
ブラック、そうなりたいの?」
「……いいえ。……さとしくん、オレちゃんを悪魔に出来ませんか?」
「悪魔!?」
「はい。……オレちゃんの年齢分かります?」
ころころと言うことが変わって何を言いたいのかよくわからないが、ブラックはなんだか焦ってるように見えた。
「え、えと、22さいとか?」
「25です。」
「そうなんだ…?」
「オレちゃんの寿命を……キリよく100歳としましょうか。
100年、1世紀…人間では長寿にあたります。」
「…そうだね…?」
「それでも、もう4分の1を迎えています。そう思うと、こんなペースで時はすぎて、オレちゃんはあっという間に死にます。
さとしくんはオレちゃんの年齢を気にしませんよね。それは悪魔が人間よりずーっと長く生きるから、1年ごとに歳を数え惜しむ必要も無いほど長く生きれるからです。」
「うん、そうだね…。」
「さとしくんが人間になるか、オレちゃんが悪魔になるか、どちらかが可能なら………欲を言えばオレちゃんが悪魔になれば……この時間感覚を共有できますね。」
「……えっと……俺はそういう方法わからないよ…?」
「そうでしょうね期待してません。」
「ひどい!」
相変わらずキツイこと言ってるが、ブラックが焦ってる理由はなんとなくわかった気がする。
俺の手は自然とブラックの二の腕を掴んでつよく握ってた。
「ブラックがいつか死ぬとか、まだ実感無いけどさ、ブラックといられるのは俺が思ってるより短いってことでしょ?
だったらのんびりしてらんないよね、俺に協力出来ることならなんでも言って!ブラックが悪魔になる方法も探すし!ブラックがしたいこと全部やろうよ!」
ブラックは目を細めて、掴んでいる俺の手を離して、確かめるように触れる。
「ほんと、簡単にそういうこと言いますよねえ……バカでざこなのに。」
「おい!?協力しないぞ!?」
「カカッ 褒めてるんですよ、そういう無鉄砲さ、オレちゃんにはありませんから。」
「ええ…?」
「……ま、言ったことは責任もって貰いますよ。
…フフ……一生一緒ですからね…さとしくん。」
ブラックは俺の羽を優しく撫でて、髪に頭を乗せて、無言で抱き抱えられる。
ブラックはたまにこうしてくる、初めはビックリしたけど、心音があまりにも静かで、不思議と心地いいから、俺はじっとしている。