タイトル未定「多分アンタに何言われても止まれねぇから、そのつもりでいて」
三年ぶりに再会した元後輩の険しい顔に唖然とする。少なくとも、恋人に向ける視線じゃねぇだろ。どっちかっていうと、ぶちのめすって感じの目。バイオレンスには懲りている。コイツにしてみりゃ、オレが言うなって話かもしんねぇけどよ。
高校の二個下の後輩。クソ生意気でにくたらしくて無口で不愛想で生意気で、バスケ以外には見向きもしない。人生のすべてをバスケに捧げている、バスケの申し子。オレがかつて一度だけセックスをした相手。
アメリカ留学を終えて、流川が日本に一時帰国したのは大学二年の頃。オレが高三だった当時よりも十センチ近く身長を伸ばして、それでも、手持ち無沙汰に前髪を弄るあの癖は変わってなかった。
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