『道門と旬』尾を大きく上に向け、狙いを定める。針は鋭く、毒汁が地面に落ちるたびに溶ける音が洞窟内に響く。
そのスコーピオンの周りには、まだ成長しきっていない一回り小さいスコーピオンが、道門と旬を囲んだ。
「なんでアンタと一緒にこんな所で囲まれなきゃならない」
「俺に聞くな、ダンジョンに聞け」
スコーピオン達が一斉に襲いかかると、旬は両手に短剣を持ち、素早く周りを切り裂いていく。道門も遅れを取らず、別方向からくるスコーピオンを切り裂き、前へ前へと進む。隙を狙ってボスのスコーピオンは尾を大きく振り回し、道門に狙って針を突き刺そうとするが、隠密によって姿が消える。
地面に突き刺した尾を抜き、針が再生される。
隠密が出来ない旬に向かって鋭い足で地面を弾きながら襲いかかる。
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