鶯丸への感情を自覚していない大包平×鳥目の鶯丸 この本丸で、動物の名を号に含むモノはその特性に引きずられる。
それは顕現してすぐ、近侍で初期刀の歌仙兼定から本丸の案内がてら説明されたことではあった。
「主が無類の動物好きでね。幻獣…竜の類であっても、伝承の中に描かれるような性質が現れてしまうんだ。」
一種の個体差だと捉えてくれと言われたその時、真っ先に浮かんだのは先に顕現していると聞き及んだ同郷の太刀だ。これについては他意はなく、顕現の口上を述べ終わるか終らないかのところで審神者が「大包平が来たよ鶯丸!」と騒いだ所為でその名が頭にこびりついていたからである。そうでもなければ、元の所在を共にしていた獅子王や鳴狐あたりが真っ先に浮かんだだろう。
「鶯丸もか。」
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