カガバレ! 固く閉じられた瞼が、ゆるりと開かれる。次第に暗闇が視界に映り、バレットは数回瞬きをしながら鈍い思考を持て余した。辺りが暗いのは電気を消しているからだろう。窓から差し込む月の光だけが、薄く部屋を照らしていた。カーテンを閉め忘れていたらしい。雲がかかっているのか月の光はほんの穏やかで、漸く手元が確認出来る程度のものだ。やがて瞳が慣れて、掠れた暗闇だった部屋が徐々にはっきりと輪郭を表す。それでも鈍い思考は変わらない。どこかぼんやりと霞がかったような感覚に浮かされながら、バレットは瞳を細めた。こんな暗闇の中で、自分は一人で立っていた気がする。時を待ちながら、じっと動かず、ただ命令を遂行する人形のように。何をしていたのだろう。そんなものはいくらでも想像できた。バレットの首筋に冷たい汗が滲む。得体の知れない恐怖が身を包み、ぎゅうと瞳を閉じた。訪れる暗闇にまた怯えを思い出し、無意識に握り込んでいた掌が震えていた。その鈍い痛みに、握り込んでいた掌を頭上に掲げ少しずつ緊張を解いていく。ゆっくり、ゆっくりと指を開いて、そろりと開けた瞳が露になった手のひらを視界に映した。その瞬間、バレットは瞳を見開きビクリと大きく肩を揺らした。
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