案外「お前ってさ、手は案外温かいんだよな」
「」
「雪みたいな見た目してるくせに、結構暑がりだし」
「お前の手が冷たいだけで、俺は普通だ」
ゲームに飽きたのかソファの肘掛けから足を投げ出し、半身を横たえだらけた小时が俺の右手を捏ね回しながら要領を得ない話を始めた。
他人に触れられる時は身構えるくせに、自分のペースでべたべたと触れててくるこいつの距離感は未だに読めない。
「ダイブする時何時も思うんだ、溶けちまいそうなのに意外だなって」
「...何が言いたい」
「ん〜なんだろうな…ああそうだ、それでこの前董易が言ってたことを思い出したんだよ。日本じゃあ手が温かい奴は心が冷たいって言うらしいぜ。言い得て妙だなって」
手を離さずに視線をこちらに向けられ、打算のない透き通った黒目と目が合う。
1015