喧嘩するほどの仲「グリーンのばか!」
かちゃん
思わず紅茶を置いて立ち上がった。衝撃を与えられた中身は波のように揺れている。
零れていないことを確認しつつ視線は既に二階の部屋を向いていた。
互いの怒号が奥から響き渡り、心臓が嫌な音を立てて足を促進させる。
外で遊ぶことが多いため普段の様子を詳しく知っているわけではないが、少なくとも部屋で遊ぶ時は大人しく手のかからないという点では模範的な子であるレッドくんが大きく声を荒らげたのだ。緊急事態だと姉の本能がブザーを鳴らす。
「どうしたの?」
バン!
勢いよく扉が開いたおかげで二人は私に注目している。顔を真っ赤にしたグリーンがレッドくんの上に乗り頬を引っ張っている。強く睨みつけているレッドくんの瞳からポロリと涙が一粒零れた。
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