edere 今年の梅雨は、やけにあっけなく終わった。まだ7月頭だというのに猛暑日が続き、仕事場へは熱中症患者も多く運ばれてきて、例年より慌ただしい夏の始まりを感じていた。そんな折の、久しぶりに比較的ゆったりとした休日昼下がり。クーラーのきいた涼しい我が家の居間で、チームメイトの一二三君が再度同じ質問をしてきた。
「ねぇ、センセってば、だから、独歩ちんとはどのぐらい仲良くなったの?」
先ほど訊かれたときは、彼にしては言葉を選んだな、と感心した。しかし、2度目となるとそれは気遣いではなく、からかいに近い言葉遊びであることがわかる。
「ですから、独歩君とは恋人として良い付き合いをさせてもらっていますよ。なかなかゆっくりは会えませんが」
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