夢の中のアストロ紫がかった空はまるで静かな海のように広がり、風もないはずの空間なのに、雲はゆっくりと形を変えながら、ダンディの周りを漂っていた。柔らかい雲の上に横たわるような心地で、ダンディは夢の中に沈んでいる。
「……ここ、どこ?」
目を開けた彼が見上げる先、そこには――
あまりにも大きなアストロが、空と雲を背景に、堂々と立っていた。紫の光に照らされたその体は、まるで星座が具現化したかのように神秘的で、美しかった。
それを見た瞬間、ダンディの足から力が抜けた。
「……お、おっき……」
どさり、と音を立てて腰を落とし、そのまま口を開けたまま見上げる。自分の何十倍もの大きさのアストロ。黒く艶めく頭部、水色の仮面のような顔、その中央に浮かぶ、煌めく十字の星。ブランケットは風もないのにふわりと揺れ、その存在自体が空間に馴染んでいるようで、違和感ひとつない。
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