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    Tom47099378

    @Tom47099378

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    Tom47099378

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    倒壊ちゃんじゅっけつぱろ

    とある少数民族のゆいしょある家に生まれた少年の話
    少年がすむ村は、山の神を信仰していて、神の血を引く家の者たちは山の神と意思疎通ができるって信じられている。
    彼は神の血を引く家系の長男で、成人(15歳)になったらこの村の長になることが決まっている。


    14歳まではそれで満足して生きてきた。
    ある日狩に出かけた時、幻の竜を見かけて、村の人たちをおいて一人でその竜を追いかける。
    それで岩場の中で傷ついた真っ赤なドラゴンがいて、こいつを俺のものにしようと斬りかかる
    その瞬間竜は火を吹いて唸って、気を失う。
    そしたらシュルシュル人型に戻っていって、髪の真っ赤な自分と同じ歳ぐらいの少年に戻る。

    びっくりしながらも、恐る恐る近寄ると、竜だった少年は腕や腹に切り傷があってどくどく血が流れている。
    このまま放っておいて死なれたらもったいないので自分のマントを破って手当てをしてあげる。村の人たちにこれが知られたら何かと面倒になるとおもって、竜の少年をかくまっておく。

    竜になれる少年は3日後に目を覚ます。起きると果物と水が近くに置いてあって急いで食べる。

    「起きたんか」
    と声がするので驚いて後ろに飛び下がって、こえをした方を見ると
    金色の髪の少年がこっちをみてた。

    意識を失う前のことを思い出して逃げようとするも完全に竜に戻る力が回復していなくてあっさり負けてしまう。

    「今日からテメェは俺の奴隷だ」

    そう言って金髪の少年はにたりと笑う

    (中略 なんだかんだ言って奴隷と主人やりながら仲良くなる二人)

    すっかり傷も回復して、竜に戻ることができた赤髪の少年。看病してくれたお礼に、背中に彼を乗せて空を飛んでいく。


    「なぁ、どこ行きたい?」
    「太陽!太陽がどこにあるのか知りてぇ!」

    ふわりと浮かんだ竜の背中から、自分の村が見える。高度はどんどん上がっていって、聖なる山を超え、川を越え、谷を越える。太陽はまだまだ遠い。

    カツキは平静を装いながら、その実とても興奮してる。
    初めて見る山のその向こう側の世界に胸を躍らせる。

    「…俺はカツキだ。テメェ、名前はなんだ。」
    「俺に名前はねぇよ」
    「そうか」

    飛び疲れて、二人はひとけのない川のほとりで休む。
    お互いのことを何も知らないと気づいた二人は、ポツポツ自分のことを話し始める。

    かつきが村の次期長で、山の神と通じるものとして崇められることや、自分たちの信仰、生活、自分の家族、などを話す。

    竜の少年は、竜と人の間に生まれたから、どの群れともうまくやっていけず一人で生きていること。
    そのせいでよく盗賊に狙われ、命からがら逃げてきたところをカツキと出会ったことを話す

    「名前がねぇってのは不便だ。俺がつけてやる。」
    「本当か!」
    「…エイジロウ」
    「エイジロウ?」
    「カッケーだろ」
    「エイジロウ…えいじろう!
    ありがとうカツキ!!俺の名前はエイジロウだ!」


    それから朝、昼、夜、隙を見ては村を抜け出し、エイジロウといろんなところを探検した。

    鋭児郎の背中は、鱗のようなものに覆われツルツルとしているが、ほんのりと暖かく心地よかった。
    何より彼の背中に乗って知らない場所へ飛んでいく冒険は、何より魅力的だった。

    ある日嵐で村へ帰れなくなった日、エイジロウとカツキは山の中の洞穴で過ごした

    「なぁ、俺、夢できたんだ。」
    「なんだよ。」
    「カツキとこうやってさぁ、世界中を飛び回る。そんでさぁ、ゆくゆくは太陽にいきてぇなぁ。」
    「…いいな。」
    「だろ?いつかカツキが成人?ってのになって、
    村を出られるようになったらいこうな。一緒に!」

    「…おう」



    嵐がさった次の日、
    カツキが村に戻ると、母親が泣きながらしがみついてきた。

    「あんた…!どこいってたのこのバカ…」
    「…嵐で、帰れなくなった」
    「ほんっとにあんたってこは……無事でよかった…いい?あんたはもうすぐ成人を迎えて、村の長になるのよ。あんた一人の命じゃないの、、、」

    カツキはエイジロウに嘘をついた。
    村の長になったら、村から離れることはできない。

    成人の儀式の日、カツキは山神と通じ合う存在として、
    村の外へ出る自由は失われる。

    今のようにエイジロウと自由に飛び回ることはできない

    14歳の頃の自分は、外の世界があんなに自由なことを知らなかった。
    そして自分がこんなに不自由な存在なであることも。
    神なんてクソ喰らえと思った。

    (中略)

    儀式の前日、エイジロウとともに夜の空を飛ぶ。
    「明日から成人だな!やっと自由だ!俺たちは二人とも!」
    そう喜ぶエイジロウを見て、ふっと笑うカツキ。
    「ああ、そうだな。」


    儀式の日
    成人の儀式を抜け出そうとするカツキを止める村人たち。

    襲いかかってくる村人を薙ぎ倒して村の出口までくるカツキ
    村の唯一の吊り橋が落ちていて、崖から飛び降りるしかない。

    近寄る村人に対して不適な笑みを浮かべ、崖へ落ちるかつき

    その瞬間赤いものがシャッと視界を通る


    赤い竜がカツキを乗せて飛んだ。

    崖側にいた両親に向かってカツキは叫ぶ
    「俺は外の世界で生きていきたい。こいつと。」

    「行きなさい。ただし二度とこの地を踏むことは許しません。」
    母は力強く返した。目には涙が溜まっていた。

    エイジロウとかつきは夜通し飛んだ、
    いくつもの山をこえ、谷を越えた。

    置いていった故郷、両親、もう二度と戻れない。

    遠く離れたある村で盗みをし、そのまた遠く離れた村を寝床にした。
    針と墨を借りて、鋭児郎の肩にお揃いの刺青を彫った。


    その後、カツキとエイジロウは山賊になり、世界中を旅しましたとさ。
    ちゃんちゃん。
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