夏祭りデート 忙しい日々の中、偶々ハンター協会に立ち寄っていた旬は、本当にたまたま犬飼を見つけたので、彼の腕を引っ張り足を止めさせた。
何事かと驚いた顔で止まった犬飼に、旬はもごもごとしながら、祭りに誘った。
浴衣を着た犬飼は神社近くにある大きな木の下で旬を待っていた。
指定時間が過ぎても中々来ない旬に腕時計を見ながらそわそわしていると、旬が現れた。
「すみません、その、遅れました」
黒色と青が入った浴衣を着た旬は、自分で結んだのか少しだけ紐が解れている。
「ンンッ、水篠ハンター、後ろを向いていただけますか?」
「え、あ、はい」
少し紐を緩めて、再度結び直せば旬は犬飼がやりやすいようにとその場で回ろうとする。
「ありがとうございます、あと、その」
「はい?」
「えっと……」
少しだけ言葉を詰まらせながら頬を染める旬に犬飼は頭を傾ける。
「二人の時は……ハンターと入れないでほしいです…」
旬は恥ずかしそうにしながら、犬飼にだけ聞こえるように呟いた。
犬飼は旬のその言葉に目を丸くし、すぐに微笑んだ。
「すみません、僕のしたことが」
「いえ、その、俺の我儘で―――」
「行きましょうか、水篠さん」
と声を掛けられ頬を染めるが少しだけ残念な気持ちも出てくる。
夏の祭りの屋台はどれも煌びやかに光っていた。
たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、射的など、様々な屋台が並び、二人はそれらを食べ、時には懐かしい金魚すくいをして遊んだ。
そろそろ屋台が少なくなり、元来た道に戻ろうかと思っていた所、ふとラムネに目が入る。
「犬飼さん、俺これ飲みたいです。」
「あぁ、ラムネですか…懐かしいですね」
ラムネを二本買った後、少し道から外れて人気のない所へと移動する。そして少し坂になっている所へと行くと、少しだけある階段に犬飼は腰を掛け、旬もその隣に座る。
そのまま思いっきりラムネのビー玉を押し込もうとする旬に
「あ、み、水篠さ―――」
「え?」
ブシャァッと勢いよく、ラムネが吹き出し全身を濡らした。驚く旬と、その姿に犬飼は笑いそうになるのを耐える。
「………力加減間違えました」
「そうだと思いました」
犬飼は持ってきたハンカチを旬の顔へと当てる。
距離が近い犬飼に思わず目を逸らし、ドキドキしながらチラチラと目線を戻したりを繰り返す。
そしてついに小さい声で旬は呼んだ。
「あ、晃さ、ん……」
「――――――はい」
ゆっくりと旬は、ラムネに濡れた手を犬飼の唇に当てる。その行動に犬飼は目を丸くしていたが、旬の指をそのまま舌で舐める。
「ぁ……」
ぬるりと生暖かい感触が、旬は思わずぞくりと体が反応し、旬は口を塞ぐ。
「――――旬」
手に付いたラムネを全て舐め取り、犬飼は空いている手で旬の足の上を滑らせ、二人の距離が重なり、舌を絡ませ、その場を空気をも全て吸い取られそうな口付けを繰り返した。
続きは私が食べました!!!!!!!!!!!!