オメガバース 犬旬プロット
旬(Ω)はE級でありながらも必死に母(β)の治療費代と妹(β)の学費を稼ぐためにハンターとして働いていた。
Ωといってもほんの少しだけ特殊で、ヒートが不定期に来る。だから医師から処方されていた薬を月に一度打って、外部でヒートをコントロールするようにしていた。逆に抑えるとヒートがきた時に対処できない程の反動が来る。
二重ダンジョンで生還したE旬は犬飼(α)と出会う。隣にいた道門(α)が居たが、妙に旬は犬飼に心が魅かれた。
何度かあっている内に、ヒートの時期が近づき、薬を打った次の日。あと数日で来るヒートの為に巣篭りしようと準備していたS旬は犬飼の顔をみた瞬間腰が抜けて立ち上がれなくなる。
「どうされ……っ!」
「いぬ、かいかちょ…ぅ……」
運命の番に出会った二人は旬のヒートにより理性が吹き飛びそうだったが、なんとか犬飼は自分の家まで辿り着き、旬を寝室に閉じ込めた。
もちろん無理やり犯すという事はせず、一週間が過ぎるまで自分の寝室に入らないようにした。
一週間後、部屋に入るとΩのヒートの残り香が充満していて、理性を失いそうになるが窓を開け、喚起をすると、旬がもぞもぞと布団から出て犬飼を見つめた。
「たすかりました…」
「いえ、何もお役に立てず…」
見るだけでも再びヒートが起こしそうなほど、旬は犬飼という匂いに狂いそうになったが、これ以上迷惑をかけるわけにもいかず、影の交換で部屋から消えて行った。
その後、協会からの申し出で何度かゲートの攻略の際に犬飼に会うものの、気まずい空気が流れており、上手く話せずその日も仕事の話だけで会話を済ませてしまう事が多くなった。