パトリスとお見合いパトリスの夢小説
なかなか相手が見つからない結婚適齢期の男性である私は、祖母からの薦めでお見合いをする事になった。似合わないモーニングスーツを着て、予約したレストランに向かった。お相手の写真は先に見せてもらっていたので知っている。名前はパトリス・ルッチ。薄い金髪が綺麗で、目も吸い込まれるようなエメラルドグリーンで、私には勿体無いほど可愛らしい女性だと思う。しかし、着せられた感満載の派手なドレス(おそらくお母様のお下がりか)がよほど窮屈らしく、顔のパーツが全体的に左にヨガんでいた。左の方をよく見ると、髪の毛がファスナーに大量に絡まっていた。しかも、背景がどう見ても証明写真である。そして、ブルーの背景に目を凝らすとショウジョウバエが止まっていた。お見合いにこの写真を使うとは、多分私とのお見合いにあまり気が進まないのだな、と察し、少し申し訳なくなったのを覚えている。
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