微睡みと看病 プッツリと切れていた意識がゆっくりと浮上してくる。窓から差し込んでくる光が眩しい。モゾモゾと動き、ベットサイドに置いてあるスマホを開くと、まだ九時すぎだった。まだ二度寝できるな、なんて。微睡みの中で、珍しくねぼすけさんな彼を優しく包み込む。まだ寝ているからか、いつもより温かくて落ち着く。むしろ暑いくらいだ。俺は丸っこくて、さらさらした髪に顔をうずめる。俺と同じシャンプーを使ってるはずなのに、俺とは違う甘いけど甘すぎない高級感のある玲王の香りが鼻腔を抜ける。うん、玲王吸い最高、なんて考えながら朝の穏やかなひとときを楽しんだ。
しばらくすると、俺よりほんの少し小さい身体がモゾモゾと動き出した。
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