無題「ここは…?」
深く闇に閉ざされていた視界がぼんやりと開き、そして徐々に鮮明になっていく。まず初めに見えたのは、ホコリや血の付着による汚れ、劣化し脆くなった体の部品。床に落ちている凶器…つと、意識が戻ったときにはすべての状況が最悪なものだった。あの男が自分のガワを着用した際に、(何か嫌な予感がする)、そう思った以降の記憶がない。…やっぱり、僕は意識を失っていたんだ。
埃っぽくて黴臭い倉庫の中に、僕は座りこんでいて、誰かに脱ぎ捨てられた状態だった。まあ、…その人が誰なのかは検討はつくけど。その上少しここはジメジメしていて、居心地が悪い。自分の意識が無い中、何が行われていたのか、辺りを見渡せば、それがあまり良い行いではなかったのだと察する。それも、かなり物騒で危険で、罪深いものだってね。
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