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    fredbear x springbonnie
    (自分のところのfredbearさんはspringbonnieくんの保護者に近い。何故か自分のところのスプボニくんはちょっと幼い)
    スプボニくん視点で進む話
    (九割は妄想)
    "あの人"がスプリングロックで亡くなるよりも前の話のイメージです。
    少しづつ載せます。

    無題「ここは…?」
     深く闇に閉ざされていた視界がぼんやりと開き、そして徐々に鮮明になっていく。まず初めに見えたのは、ホコリや血の付着による汚れ、劣化し脆くなった体の部品。床に落ちている凶器…つと、意識が戻ったときにはすべての状況が最悪なものだった。あの男が自分のガワを着用した際に、(何か嫌な予感がする)、そう思った以降の記憶がない。…やっぱり、僕は意識を失っていたんだ。
     埃っぽくて黴臭い倉庫の中に、僕は座りこんでいて、誰かに脱ぎ捨てられた状態だった。まあ、…その人が誰なのかは検討はつくけど。その上少しここはジメジメしていて、居心地が悪い。自分の意識が無い中、何が行われていたのか、辺りを見渡せば、それがあまり良い行いではなかったのだと察する。それも、かなり物騒で危険で、罪深いものだってね。
     いくら僕の意志で無いとはいえ、体を使われたからには僕もその犯罪に加担したことになる。一言で言ってしまえば、僕は共犯者ってとこかな。子供達を喜ばせるために作られたアニマトロニクスが殺人…
    「こんな、汚れた醜い姿じゃ、もう二度と君に顔合わせすることも出来ないよ…fred。」
    自分の汚れた手を見てそう思った。fred、僕にとって子供達を喜ばせる仕事と同じ位大切で、唯一の相棒…最高のパートナーだ。彼が今の僕の姿を見たら、ひどく非難するんだろうな。きっと、誰よりも優しくて、人を喜ばすのが大好きな君に、嫌われる。
     一場春夢、その言葉を理解することなんてないと思っていた。けれども、今、確かにその言葉の意味を重々しく僕は受け取った。もう、あの頃には戻れない、戻すことも出来ない。幸せな日々は帰ってこない…こんな悲惨な運命に、どうする事もできなくて、ただただ僕は嗚咽した。深い深い海の底へ、一人、誰にも助けを求められずに沈んでいくような…そんな感情。どういうことか、Fredbear's Family Dinerで働いていた思い出が次々と出てくるもんだから、余計、罪悪感や悲痛さが増してくる。こんな悲しみはあの時以来だね、fred。人間みたいに僕たちアニマトロニクスだって、感情はある…涙や汗が出るかは分からないけど。君は、今、何処に、どんな状態でいるんだろう。
    「今の僕にそれを知る資格はないよね…」
     そう僕は呟いて、この現実から逃げるように、溢れてくる思い出に身を委ねる。

     元気な子ども達の声、清潔で明るい店内(ちょっと床とか散らかってるところもあるけど)。そして隣にはfred。流石、僕の相棒。本当に良い歌声だね。君の低くて落ち着いた声、芯があってしっかりした歌声、つい聞き入ってたな…そういえば、誕生日の子も居て、家族と一緒にピザやケーキを頬張る様子とか、幸せそうな会話も聞こえてきたよね。かつて活気に満ちていたFredbear's Family Dinerは本当に素晴らしいお店だった。素晴らしいお店だったんだ…
    「ピザもケーキもおいしいね」
    「今日は最高の誕生日になったかな?」
    「うん!!あ、ママ、パパ見て、フレッドとボニーだよ!」
     僕やfredを見てはしゃぐ子達を見ると、喜んでもらえてることを実感できた。fredの方を見ると彼の満足そうな顔が見える。そんな時、僕も更に嬉しくなる。だから、子供の声にこたえるように、もっと盛り上がってもらえるように、意気揚々として皆に最高のパフォーマンスを届けるんだ。(…と言っても、セキュリティ上、あまり自由に動けなくて、ほぼプログラミングされた動きしてるんだけど。)運営の人たちはよく、『かわいい熊さんや兎さんにも会えて、最もハッピーな誕生日を過ごせる食堂、Fredbear's Family Diner!!勿論、誕生日じゃない子達も大歓迎!!』という宣伝文句を謳っていた。まあ、事実だからね。
     僕はspringbonnieとして、みんなに幸福が訪れるように仕事に取り組んでいた。fredも、自分の仕事に誇りを持っていて、マイクの手入れも毎日欠かさなかった。そんな真面目な彼も大好きだった。時々、マイクのお手入れ中、僕は彼にいたずらをする。すると、少し迷惑そうな顔をしながらも、ちゃんと僕に構ってくれる。
    「bonnie、君はもう少し、我慢を覚えるべきだね…でも、今日のギターの演奏も最高だったよ。それで、私に何か用かな、」
    満更でも無さそうな物言いだから、僕は遠慮なくfredに甘える。
    「fred、今日、凄くいい事があったんだよ!!それでね…」
     こんな感じで休憩や営業が終わると後は自由時間だった。そして、合間にお掃除やメンテナンスが入る。流石にこの時間は僕たちはお休みしてるから、それ以上のことを思い出すことは無い。でも、少しでも早く自由時間になって欲しくて、メンテナンスが始まるときに、
    「はあ〜、この時間早く終わってくれないかな…」
    なんて僕はよく言ってた。すると、毎回その言葉にfredは穏やかな口調ながらも説教じみた感じで、
    「こらこら、そんな事言わない。係の人に失礼だぞ。」
    と注意された。何で、君に怒られなきゃいけないの、君だって休みの時間は少しでも長く確保したいでしょ、とか思ってたけどね。でも、恋っていうのはちょっと面倒なものらしく、好きなことに免じて、fredのこと、許しちゃうんだ。
    「ずるいよ、君は…」
    「どうした、急にそんな事言いだして」
    全く、どうしたもこうも無いよ。変なところで鈍感なんだから、fredって。そう言っても本人はそんなに気にしなさそうだから、大体ここで言及を止める。それでも、彼と一緒に居れる時間が何よりも楽しくて、喧嘩はする時はあったけれども、fredを嫌いになることなんて一度も無かった。

     いざ付き合ったことを公表すると、人は馴れ初めとかを聞きたがるみたいだけど、残念ながら僕たちの場合は一緒にいる時間が長すぎて分からない。(ん〜、浅はかな考えかもしれないけど、僕はそれよりも今、相手と居て幸せかどうかを考えたほうが良いんじゃないかなって…)僕とfredが付き合うまで、意外と時間がかかった。お互い、なかなか自分の恋愛感情に気付けなくて。僕も初めは、この感情もfredと仲良くいるためのプログラムかと思って、出来るだけ考えないようにしていた。けれども、色々勉強していくうちにその感情の存在をしっかり認識し始めた。
     告白は僕からした…或日のイベントが上手く行って二人で打ち上げしたときだった。感情が高まってたのかな、その時の僕は。
    「fred、今日はお互い、最高の仕事をしたと思わない?」
    「君の言うとおりだよ、bonnie。皆が楽しそうにしていた様子が何よりも証拠さ。」
    「君と一緒だからやり遂げたんだよ、fred…君が相棒で本当に良かった。あのね、僕、変かもしれないけど…そのことが君の特別な存在になっているみたいで、嬉しいんだ。だってこの先も、大好きな君とずーっと一緒に居られるんだもの。パフォーマンス以外での君を誰よりも知っているのは、僕……かっこいいところも、かわいいところも、優しいところも、いつもしちゃう癖とかも、全部、全部ね…」
    少し興奮気味で話していた。後から考えたら、ちょっと引かれるかもしれないこと言ってたね。
    「……」
    意外な僕の言葉に驚いたのか、fredは黙っていた。暫くして、ゆっくりとその大きな口を開く。
    「まさか、君が恋愛を語りだすとは夢にも思わなかったな。それは…告白ってことで受け取って良いのか?だとしたら、答えは…イエスだよ。」
    その時体温がグッと上昇して、頭が上手く回らなくなった。僕たちは確かに恋人という関係になったんだって、嬉しすぎてニヤケが止まらなかったよ。あの時の僕は、君にどう見られてたのかな?
     そんな感じで付き合うことになった僕達は、それなりに恋人らしいことをしたと思う。手を繋いでみたり、キスをしてみたり。或いはその先のことまで…こうやって思いかえすと恥ずかしいと思うこともあったけど、fredと心身ともに繋がっているのを感じられて幸せだった。『辛いこと、楽しいこと…何でも共有しよう、この先何があっても君となら絶対乗り切れる』、fredはそう僕に言ってくれた。この幸せがいつまでも続くと思っていた。あの事件は起きるまでは…僕たちの関係やFredbear's Family Dinerは、もう元の形に戻ることが出来なくなってしまった。

     あんなにも悩み苦しんでいるfredを僕は初めてみた。無理も無い。誤作動とはいえ、子供を噛みついてしまったんだ…その瞬間を僕も隣で見ていた。僕たち二人とも、あの時、体が自由に動けなかったことを悔やんでいる。いや、きっと、fredの方が事件を防げなかったことに対して酷くショックを受けていたんだ。血だらけになった彼の口。それを見て、僕は不安と恐怖で体が硬直した。悲鳴が聞こえ、警察も乗り込んできた。頭が真っ白になって、気づくと意識を失っていた。係の人たちが、僕らアニマトロニクスを危険なものとして、電源をオフにしたんだ。
     その後、倉庫に乱雑な感じで僕たちは入れられたみたいだった。でも、塞翁が馬…と言うんだっけ。そのお陰で、電源がついた。僕はとにかくfredの事が心配で、直ぐに彼に話しかけた。
    「ねぇ、fred…」
    「お願いだ、bonnie…私に近づかないでくれ」
    「え…?」
    彼から初めて会話を拒絶された。いつもの彼とは打って変わって、自身を取り乱して落ち着きを無くし、少し体が震えていた。
    「君まで傷つけたくない…」
    その言葉を聞いて、僕は彼が誰かを傷つけてしまうことを恐れていることに気づいた。そう、そのことを理解はしていたんだ…それでも、僕は初めてfredに対して怒りを感じた。怒りに任せて、彼の腕を掴んだ。
    「どうして、僕に話してくれないの…?fredは、僕のこと、信用出来なくて、そうやって一人で問題を抱えるの?あの時言ってくれた言葉は嘘だったの…」
    「だから、私に近づかないでくれ!!」
    この時にね、この傷ができたんだ。fredに右目を傷つけられた記念日。fredは、僕の顔を見て大きく目を見開いて、
    「すまない、すまない…」
    って、必死に謝罪していた。その時初めてfredが泣いている姿を見た。僕は力を振り絞り、彼の方へと手を伸ばす。今度は僕の方から彼に触れた。すると、彼の体がビクって震えた。僕はそっと、彼を抱きしめる。
    「ごめん……fred。君だって、辛くて話したくないことはあるよね。でも、これだけは分かってほしいんだ……どんなことがあっても、僕にとって、fredは大切な存在だよ。嫌いになんてならないよ、僕が一番の君のファンだもの…」
    やっとの思いで伝えた言葉は、君に届いたのかな……?しかし、そのことを確かめる前に、翌日、fredは係の人に連れられ、店を出ていってしまった。
     
     僕は店の倉庫で一人になった。そして、現在に至る。どうして、こんな事になってしまったのか。運命の歯車を狂わせたキッカケは、一体…
    「今の僕に出来ることは、スプリングロックを利用して、彼を僕の中に閉じ込めること…」
    それが、今の僕に出来る皆への謝罪なんだ。僕はそう決心した。

                        終わり
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